タマネギ べと病

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タマネギ べと病

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育っていくタマネギ

 

 

タマネギのべと病とはどのような病気でしょうか。
べと病の症状や原因と対策をご説明します。

 

 

[タマネギ べと病]

 

 

■べと病の症状

 

タマネギのべと病には、全身感染型と二次感染型の2つの型があります。

 

・全身感染型べと病
秋に感染し、2~3月になってから発病する型のべと病のことをいいます。

枯死する場合もありますが、

軽症なら冬の間にタマネギの株全体へ蔓延し、越年罹病株になります。
*越年罹病株とは、年内に感染し翌年に発病する株です。

 

越年罹病株の葉は、光沢がなくなり、淡黄緑色になります。
感染したタマネギは生育が遅れ、
葉は横にいくらか湾曲するように伸びます。

 

春先の温暖で多湿な条件下では、
全身に白色のつゆ状か、暗紫色のかびを生じます。

 

・二次感染型べと病
春と秋に発生します。
葉に長めの卵形か楕円形の黄色がかった大型の斑点(病斑)ができます。

 

湿度が高い時には斑点状に白や暗紫色のかびが出ます。
病斑がタマネギの葉を一周してしまうと、そこから先の葉が折れて枯れます。

 

 

■べと病の原因

 

べと病はタマネギだけの病気ではありませんが、
タマネギのべと病の病原は、
糸状菌(かび)のペロノスポラ デストラクター
(学名:Peronospora destructor (Berkeley) Caspary)です。

 

この病原菌は鞭毛菌類の一種で、
菌糸や卵胞子や分生胞子をつくります。
卵胞子は丈夫で、土壌中で10年以上も生存できます。

 

さて、ペロノスポラ デストラクターは
どんな特徴のかびなのでしょうか?

絶対寄生菌です。生きた野菜の細胞でしか生活できません。
つまり人工培養ができない糸状菌です。

 

土の中で10年以上も卵胞子で休眠します。

驚きの生命力を持つペロノスポラ デストラクターの、
ライフサイクルはどうなっているのでしょうか?

 

ペロノスポラ デストラクターの分生胞子は、
直接発芽、菌糸発芽をします。
発芽したら、タマネギの葉の気孔と角皮から感染します。

 

分生胞子の発芽適温は10℃前後です。
発病適温は13~20℃と比較的低めです。
そのため、盛夏の時期の発生は少なくなります。

 

タマネギに侵入した病原菌は
細胞内に吸器を作って養分を吸収します。

 

分生胞子の形成は、温度、湿度、光線などの発病環境や、宿主の感染具合、
近くに宿主となりうる元気な作物があるかなどに影響されますが、
これらの条件が整うと繰り返し分生胞子が形成され、伝染し、蔓延します。

 

ペロノスポラ デストラクターの分生胞子は、
タマネギの葉の気孔と角皮から感染するのですが、
どうやって土壌中から感染するのでしょうか?

 

10~11月に雨などで葉上にはね上げられたり
土寄せなどで土が作物の葉に付着したりして伝染し、発病に至ります。
感染した株のうち重症の株はいずれ枯死します。

 

タマネギの春の二次伝染の多くは、
全身感染株の胞子によるものがおおいです。

 

気温が15℃前後の雨が多い時に発生することが多く、
特に4月中旬~5月上旬の曇りや雨の天気が続くと多発します。

 

しかし梅雨明け以降は気温の上昇に伴い、
べと病菌の発病適温(13~20℃)から外れるため、
勢いが衰えます。暑さに弱い菌といえます。

 

べと病菌は栄養繁殖器官として、
菌糸や分生胞子(遊走子のう)を被害部上につくります。
これらが標徴として、霜状に感染部分(病斑)の上に見られます。

感染部分を顕微鏡で見ると感染した作物の気孔から、
分生子柄と分生胞子が出ています。

 

タマネギの感染株が枯死寸前になったり
べと病菌にとって不良環境になったりすると、
病組織内で耐久体の卵胞子を形成します。

 

卵胞子で越夏や越冬して
第一次伝染源になるための準備をします。

 

 

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小さいけれど収穫して味見♪

 

 

■べと病の対策

 

排水の悪い圃場では高畝栽培にするなど、
圃場がじめじめしないように整備します。

 

健全なタマネギの苗を植えます。

越年罹病株から被害が広がるので、
圃場で発病株を見つけたら除去します。

また過去発病した圃場での連作は極力避けます。

 

◎感染したら
圃場でタマネギの発病株を見つけたら、即座に圃場外に除去します。
感染源になるので、圃場内に感染株を放置しないようにします。

 

◎効果的薬剤
農薬は、使用方法に従い、有効な作物に対し、
適正な時期、使用回数、希釈倍数などを守って使用します。

 

農薬は、使用期限を必ず守り、使いきれずに残った農薬や空き容器は、
必ず専門の廃棄業者に引き取ってもらいます。
「農薬取締法」で検索するとより詳細が分かります。

 

では「べと病に効果的な薬剤」に戻ります。

定植圃場が以前、べと病菌が発生したなど、
伝染の恐れがあるときは予防散布に努めます。

 

多発してからの薬剤散布は、効果が得られないことがあるので、
発生初期の防除時期を逃さないように散布します。

 

まん延期に散布をしなければならない場合、
べと病菌の分生胞子は降雨後の多湿時に形成され飛散する特徴を利用し、
晴れ間を見計らって防除時期を逃さないように散布します。

 

防除薬剤として、カンパネラ水和剤、ザンプロDMフロアブル、
べトファイター顆粒水和剤、ホライズンドライフロアブル、
ランマンフロアブル、レーバスフロアブルなどがあります。

 

◎べと病の耕種的防除
耕種的防除には、以下の方法などがあります。

 

・発病したことのない場所や土で苗床をつくります。
・発生した圃場では、連作を避けます。
・べと病菌にかかっていない健全な苗や種子を使います。
・苗床や圃場の排水がよくなるように整備します。
・多湿になる条件を排除します。

 

たとえば、過密なタマネギの播種を避けます。
定植するときも密植せず、疎植にします。
ハウス栽培やガラス室栽培では、湿度が高いと発生しやすいので、
風通りや採光や排水がよくなるように工夫します。

 

土壌中の病原菌が跳ね上がらないように、
敷藁やマルチで土壌の飛散対策をするのが良いです。

 

越年罹病株の発生に注意し、胞子形成を始める前に抜き取ります。
べと病菌に感染した株や感染して枯死した株は、
感染源にならないよう、タマネギの株は圃場外で処分します。

 

感染した株や苗は、焼却するか、土中深く埋めて処分します。
収穫後は、タマネギの葉などを適切に処分し、
分生胞子が圃場内に残らないようにします。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培



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タマネギ 病害虫

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