雨の耕うん
耕うん(耕運)という言葉は、野菜栽培をしていると、よく耳にします
植物を育てる時には、耕うんの作業が欠かせません。
園芸をする時に必要となる耕うんとは、どのような作業なのでしょうか。
雨天の耕うんは、避けたほうが良いのでしょうか?
[雨の耕うん]
■耕うんとは?
耕うんとは、植物を育てる前に土壌を改良したり、整えることです。
また、栽培途中で植物の周りの土を中耕することも耕うんに含まれます。
育てる前に行う耕うんは、土の表層と深層を掘り返したり、固まった土をほぐします。
植物の根は、植物の種類によって深さが違います。
そのため、浅い根の植物ばかりを育てていると、深層が硬くなってしまうのです。
また、似た植物ばかりを育てていると、表層に病原菌が集まりやすくなります。
表層と深層を掘り上げてほぐした後、表層分を深いところに埋め戻し、
その上から深層部分を埋め戻すと、天地を返した状態となります。
表層部分に集まりやすい菌は、深層にいくと数を減らすことができるので、
耕うんをすることで病気予防にもつながります。
栽培中の耕うんは、中耕とも呼ばれます。
植物を育てる前の耕うんに比べると、
雨などで固まった表面を軽くほぐす程度なので、とても簡単です。
そして、中耕をすることで、追肥した時に肥料成分が広がりやすくなり、
水分も入りやすくなります。
水やりをした時に水分が入り込みやすいということは、
新鮮な空気も入りやすいということになります。
植物の根は、水や肥料成分とともに空気を必要とすることがあります。
植物が必要とする水・肥料・空気を含んだ土なら、植物の生育が良くなります。
耕運機で耕した畑
■耕うんの方法
耕うんを行う時、広いスペースで作業するなら、
耕うん機を使っての作業となることもあるでしょう。
実際、人力で行える範囲というのは、とても限られています。
最近は、卓上コンロに使用するガスボンベを使って動かす耕うん機などもあります。
もし人力での耕うんに限界を感じたら、一度耕うん機を見に行くのもお勧めです。
お店によっては、その場で運転を体験させてもらえることもあります。
ただ、耕うん機を使う場合でも、ロータリー耕では少し浅いので、
できれば反転耕やクランク耕で耕うんしましょう。
反転耕などは、ロータリー耕よりも深く耕すので、その分の土を砕くことができます。
人力で行うのであれば、クワやシャベルが必須となります。
クワは慣れていないと、扱いが難しいことがあります。
無理にクワを使わず、シャベルの方が使いやすければ、シャベルを使いましょう。
どれだけ小さいスペースであっても、花を1株だけ育てるようなスペースではないはずです。
耕うんは、大きく掘り返す必要があるため、土をすくう面積の広いものを準備します。
ただし、大きすぎると扱いきれないことがあります。
道具は使いやすさも大切です。
大きすぎず、作業のしやすい道具を選んでおきましょう。
また、中耕に使う場合は、スコップやシャベル、クワなどよりも、クマデが便利です。
小さいスペースなら、小クマデが小回りもきくのでお勧めです。
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■雨の耕うん
基本的に耕うんの作業を行うのは、土が乾いている時です。
少なくとも表面の土が乾いている時に行った方が、
土のほぐれ方も良いですし、水の分の重みがないため、作業が楽になります。
雨が降った直後に耕うんを行うのは、あまりお勧めできません。
農家のような耕うん機などを使う場合でも、
けっきょくは土がほぐれにくいため、思うようにいかないことの方が多いです。
特に水はけの悪い、粘土質は、雨が降った後数日の間は、湿気が抜けず苦労します。
土壌が粘土質でなくても、砂地でない限り、雨の後の耕うん作業はとても大変です。
また水分で土が固まってしまい、せっかく耕うん作業をしても、
土が細かくほぐれず、大きな塊のままとなってしまいます。
土が乾いた状態であればあるほど、土は細かく砕かれやすくなります。
けれど、天気の都合で、雨の次の日に耕うん作業をしなければいけないこともあります。
そんな時は、排水対策や雨対策をしておくと、水はけが良くなるのでお勧めです。
・排水対策
畑に雨が降った時、畑の周りに溝を作ることで、排水を良くすることができます。
耕うんする場所の周りに、シャベルを使って溝を作るだけでも、水はけが違ってきます。
・雨対策
ほんの少しの雨量であれば、晴れが1日あれば乾ききる可能性も高いですが、
たくさんの雨が降った場合は、土の深い部分まで水が浸透してしまい、なかなか乾きません。
そんな時は、最初から雨を土に触れないようにしておくことがポイントです。
ブルーシートなど、水を通さない素材のものを土の上に広げておき、
風で飛ばないように固定します。
耕うんの作業当日までこうしておくだけでも、入り込む雨の量は各段に減ります。
・エポック
エポックは、土壌に住む微生物を活性化させる効果のあるものです。
薬剤や肥料とは違ったもので、必ず必要というわけではありませんが、
あると便利なものの1つです。
稲作をした後に、他の野菜を育てる場合、水田のままでは土が粘土質すぎることがあります。
高粘土質の土壌では、他の野菜が育ちにくかったり、水分が溜まって耕うんしにくくなります。
稲を育てている時、エポックを10aあたり2リットル与えておくと、
稲作後の土質の水はけが良くなります。
水はけが良くなることで、水分が抜けやすくなり、耕うんがしやすくなるのでお勧めです。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ 苗の植え方
・ホームタマネギの栽培