月輪2号
月輪2号は北海道などの寒冷地の春まき栽培にしてきたタマネギ品種で、
春まき栽培の中では貯蔵性に優れている黄タマネギです。
同じ名前の品種で月輪がありますが、こちらとは別品種になります。
札幌黄の系統を引き継いでいて、甘みや旨味が強く、食味に優れています。
月輪2号の特徴や育て方をご紹介します。
[月輪2号]松島交配
■月輪2号の特徴
・北海道や寒冷地の春まき栽培に適したタマネギ品種
月輪2号は春まき栽培専用品種です。
秋まき栽培ではなく、北海道や寒冷地の作型の春まき栽培に適していて、
秋まき栽培には不向きです。
北海道や寒冷地は寒さが厳しいことから、
冬の栽培は難しいため、春まき栽培が一般的です。
種まきが北海道で2月下旬から3月上旬、
寒冷地で1月末から2月上旬頃に種まきをしますが、
まだ寒い時期なので、加温、保温して育てる必要があります。
ただ、春まきの作型は様々な種類があるので、
暖かくなってから種まきをすることもできます。
加温が出来ない環境なら3月下旬頃から種まきをして、室内で保温する作型や、
育苗をせずにそのまま直播き栽培も可能です。
直播き栽培は4月中旬から4月下旬に直接畑に種まきをする作型です。
詳しい作型は
・札幌黄系統で、食味に優れる
札幌黄と呼ばれるタマネギは鱗片に厚みがあり食感は柔らかく、甘みが強いです。
加熱後はより甘くなり、加熱調理に最適です。
ただ、病害に弱かったり、不揃いになりやすく、栽培が難しい品種でした。
月輪2号は札幌黄系統の特徴を引き継いでいて、
札幌黄のような肉質の柔らかさ、甘みを持ち、旨味も持っています。
そのため食味に優れていて、特に美味しい品種です。
また、病害は乾腐病に耐病性を持っていて、
球の揃いも良いため、札幌黄よりも育てやすいです。
・貯蔵性が良く、長く貯蔵できる
春まき栽培の中では貯蔵が効く品種で、長持ちするので、
美味しいタマネギを長い期間楽しめます。
収穫は早まき栽培で8月頃ですが、作型によってはそれよりも遅くなります。
より長く貯蔵したい場合は中玉くらいの大きさに揃えることがポイントです。
■月輪2号の栽培のコツ
・資材と相談して作型を決める
推奨されているのは1月から2月に種まきをする作型ですが、
加温や保温が必要になり、家庭菜園ではやや難易度が高いので、
難易度が低い3月末に種まきをして育苗後に植え付けをする作型や、
育苗せずそのまま畑に直播きする作型が育てやすいです。
直播き栽培は暖かくなってからの4月中下旬が種まきの適期で、
マルチを使って栽培します。
種まきが遅れるとタマネギが腐りやすく、早いとトウ立ちしやすいので適期に行います。
・肥料過多に注意する
肥料が多いと腐りやすいので、肥料は少なめか基準通りに与えます。
春まき栽培は栽培期間が短いので、追肥は不要です。
・収穫後は早めに乾燥させる
収穫は8月以降で、全体が倒伏してから収穫すると確実です。
作型によって収穫時期がずれるので、倒伏を見てから行います。
収穫後はなるべく早めに乾燥させて貯蔵します。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期