タマネギ栽培 カルシウム
タマネギを栽培するとき、カルシウムが重要なことをご存知ですか?
家庭菜園で少しだけ育てる場合には、あまり耳気にすることはないでしょう。
貸農園やプロ農家など、広いエリアでたくさんのタマネギを栽培する時には、
カルシウムは、しばしば話題にのぼりることです。
タマネギ栽培でのカルシウムの役目とは、どのようなものなのでしょうか。
また、与えるのに良いタイミングはあるのでしょうか。
[タマネギ栽培 カルシウム]
■カルシウムの効果
カルシウムは人間や他の動物にとっては、
骨という大切な組織を形成する成分のため、とても重要視されています。
骨粗しょう症などを気にして、一日に摂取すべきカルシウムの量に、
注意しながら生活している方も多いのではないでしょうか。
カルシウムといえば、骨を作るために必要な成分、
というイメージが強いため、植物が育つ時には、あまり関係がないように感じます。
タマネギ栽培でカルシウムを与えることで、どのような効果が生まれるのでしょうか。
・順調に生育する
植物にとっても、カルシウムはとても大切な成分です。
それは、植物が生長する時に、カルシウムはなくてはならないものだからです。
根の先端や葉先など、植物が生長する時に細胞を多く発生させる場所で、
カルシウムは活躍しています。
おもに細胞の形状を維持する役割があるといわれています。
カルシウム不足になると、植物の生長が悪くなることがあります。
タマネギ栽培の場合も、寒くないのに葉先が枯れてきたり、
根の生育がスムーズに行えず、生育不良を起こしたり、
芯枯れといった症状を引き起こすこともあります。
何度かタマネギを育ててみたけれど、栽培環境に問題がないはずなのに、
どうにもうまく育たないという場合は、
もしかしたらカルシウム不足が原因かもしれません。
・味が良くなる
カルシウムを与えることで、順調に生育することの他にも、良いことがあります。
それが、味が良くなることです。
タマネギに限ったことではありませんが、株がきちんと生育しているためか、
収穫した物の味が良くなるというの訳です。
タマネギの場合は、甘みが増すといわれています。
実際に、収穫予定の1ヶ月~3ヶ月前にカルシウムを散布することで、
収穫したタマネギがおいしくなるということもあるようです。
収獲の1ヶ月~3ヶ月前といえば、ちょうどタマネギの玉の部分が肥大する、
ラストスパートの時期でもあります。
この時期にカルシウムを散布することで、細胞の生成を活性化して、
甘みや旨みにつながっているのかもしれません。
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■カルシウムを散布するタイミング
カルシウムがタマネギ栽培でも大切な要素であることが分かったところで、
次に気になるのが散布のタイミングです。
タマネギ栽培では、どの時期に散布するのが良いのでしょうか。
・土作り、前作で散布
肥料に含まれているおもな要素といえば、窒素・リン酸・カリです。
カルシウムは微量成分と呼ばれるものの1つで、窒素などと比べると、
土に含まれている量はあまり多くありません。
しかも、カルシウムは植物が吸収するのが少し難しい成分なので、
カルシウムを含んだ肥料を与えても、すぐに植物に吸収されるとは限りません。
土作りの時に、土の酸度を調整するため、石灰を混ぜることが多いです。
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この時に混ぜる石灰にも種類があり、混ぜた後にすぐ定植ができるような、
有機石灰を使う方も多いでしょう。
有機石灰といえば、牡蠣殻や甲殻類の殻などを含んでいるため、
カルシウム成分は入っています。
ところが、このカルシウムの成分は、すぐには土に溶けません。
溶けるのにとても時間がかかるため、早めに土に混ぜ込むのがお勧めです。
できれば、タマネギの前作の土作りを行う段階で、
すでに土に混ぜておくのが理想的です。
遅くても、タマネギの苗を定植する前には、土に混ぜ込んでおきましょう。
・生育途中で散布
栽培前にカルシウムを散布していたにも関わらず、
葉先が変色して枯れたようになる症状が出た場合は、
生育途中でもカルシウムを散布してあげると効果があります。
ただ、カルシウムをそのまま散布しても、すぐには吸収できません。
できるだけ即効性があるようにするために、酢と混ぜるのがお勧めです。
消石灰と酢を混ぜることで、酢酸カルシウムに変化します。
これを葉面に散布することで、カルシウムが吸収されやすくなります。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期