タマネギ苗 消える
タマネギ、発芽直後
タマネギの種を播いてようやく発芽した後、あるいは苗を植え付けた後に、
なぜか苗が消えてしまうことがあります。
苗作りの途中で消えてしまったり、植え付けた苗が消えてしまうと、
その分の株数が減ってしまいます。
いくら予備を作っていたとしても、どんどん消えるのでは栽培できません。
タマネギの苗が消えたり、溶けたようになくなる謎を解明しましょう。
[タマネギ苗 消える]
■タマネギの苗が消える!?
タマネギを育てようとせっかく植え付けた苗が、
気が付くと消えていると不思議ですし悲しくなりますよね。
種から育てている時も、いつの間にかあったはずの芽がなくなって、
溶けたように消滅していることもあります。
こういった症状はタマネギ栽培では珍しくありません。
原因はいくつかあり、環境や管理法によって可能性の高い原因が異なるので、
原因をしっかりと把握しておくようにしましょう。
原因が分からないまま、同じ栽培方法で育てていると、
また同じ状態になって困ることになります。
ヨトウムシ
タネバエ
・害虫による食害
タマネギの苗が消えたりする原因で、意外と多いのが害虫による被害です。
タマネギは病害虫に強いイメージがありますが、
特定の害虫によって被害が出ることがあります。
育苗中や植え付け後に、苗が消えてしまうような被害が出やすいのは、
ヨトウムシやタネバエによる食害です。
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、色々な植物を食害します。
タマネギの葉の付け根部分をかじられると、葉が折れてそのまま倒れてしまいます。
倒れた葉は萎れて枯れてしまうため、一見すると消滅したように見えます。
これと似たような状態になるのが、ケラの食害です。
畑などではバッタの仲間のケラを見かけることがよくありますが、
たまに苗をかじるようないたずらをすることがあります。
タマネギ栽培で最も注意したい、けれど防除が難しいのがタネバエです。
タネバエには、タネバエとタマネギタネバエの2種類があり、
タマネギには両方が発生する可能性があります。
株元付近に卵が産み付けられ、幼虫が内部を食害します。
地下の部分で食害が進むと、地上部にはあまり被害が出ないため、
なぜ枯れたのか分からないこともしばしばあります。
胚軸や主茎、主根が食害されると、地上部にも腐敗などの症状が見られ、
溶けたようになって苗が消えていきます。
食害を起こすのは幼虫でも、成虫によって卵が産み付けられるため、
まずはネットなどを使って産卵させないようにすることが大切です。
ただし、成虫の体は小さく、体長が5mm~6mmほどなので、
できるだけ細かい目のネットを使う必要があります。
また、未発酵の鶏ふんなどの有機質の臭いにつられて成虫が寄ってくるので、
土作りに使う堆肥や肥料などは、必ず発酵済みの完熟タイプを選ぶようにします。
発芽した後は水はけの良い場所に植え付けます
・過湿による根腐れ
タマネギは苗が小さいうちは、少し水分管理が難しい野菜です。
特に育苗中は乾湿の切り替えが難しいです。
種の時期は乾かさないようにする必要がありますが、
芽が出た後も湿った状態が続くと、過湿となって根腐れを起こし、
苗が倒れて消えてしまいます。
発芽後の過湿を防ぐために、発芽した後は水はけの良い場所に置くことが大切です。
育苗トレーをそのまま水もちの良い土の上に置いていると、
下から湿気が上がってくるため、良くありません。
タマネギの育苗トレーは、ワラの上など、
通気性の良い場所の上に置くようにすると、過湿による失敗が防げます。
これらのハードルを乗り越えてタマネギは生長します
・病気による枯死
育苗中に溶けてなくなる原因の中には、やはり病気も存在します。
特に発芽して、葉が1枚か2枚くらいの頃に、苗立枯病という病気にかかると、
地際付近が白っぽくなってくびれ、地上部がパタリと倒れます。
高温多湿、特に高温時に発生が多くなる傾向があるので、
風通しの良い環境を整えておくようにします。
一度発病した場所には、原因となる菌が長く潜んでいる場合もあるので、
心配な場合はバスアミド微粒剤などを使って、土壌消毒しておくと安心です。
タマネギが肥大し始める4月下旬からは、
特に水切れに注意が必要です。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期