タマネギ 霜で根が浮く
霜が降りた家庭菜園
タマネギは、秋に苗を植え付けて冬を越し、
初夏に地上部が倒れたら収穫を行います。
ただ、栽培期間が長く、寒い冬を越す必要があるため、
冬越し中は色々注意したい点が出てきます。
その中でも、頻繁に起きやすい上に、放置していると大変なことになりやすいのが、
霜で根が浮くという状態です。
タマネギ栽培では、霜で根が浮く状態に対し、どのように対策すれば良いのでしょうか。
[タマネギ 霜で根が浮く]
■タマネギ 霜で根が浮く
タマネギ苗は、11月頃に植え付けを行います。
地域によっては、すでに霜が降りるということもあります。
霜は、夜間に冷えた土などに空気中の水蒸気が触れ、
凍ることで起こる現象です。
子どもの頃は霜柱を見るとワクワクしたものですが、
植物にとっては良いことばかりではありません。
タマネギは植物の中でも根が粗く、比較的浅い場所に広がるのが特徴です。
そのため、霜柱が立つ時に地面が盛り上がり、根が浮き上がりやすくなります。
しかも苗は浅植えにすることが多く、ちょっと根が浮いただけでも倒れやすくなります。
もともと根の粗いタマネギは、根が浮き上がった状態で放っておくと、
そのまま根が冷たい空気に触れることとなり、どんどん根が傷んでいきます。
根が浮いたことによって苗が倒れれば、そのまま枯れて欠株となる可能性も高いです。
霜によって根が浮く状態は、タマネギ栽培ではすぐに対処した方が良い、
できれば避けたい状態なのです。
霜柱が立つと、
地面がこのように浮き上がります
■霜で根が浮くのを予防する
霜で根が浮く状態が、タマネギ栽培では良くないことは分かっていても、
気候や天候による現象を止めることはできません。
けれど、タマネギの株元に霜が降りなければ、根が浮くのを防止することができます。
霜防止に役立つのは、有機質マルチです。
マルチには色々な種類があり、園芸で使われる代表的なマルチといえば、
ビニールマルチや敷きワラです。
有機質マルチは、敷きワラやもみ殻、もみ殻くん炭、バークチップなど、
有機質でできたマルチのことを指します。
もちろん、ビニールマルチにも保温の効果はあるのですが、
苗を植え付けるために必ず穴をあけることになります。
つまり、タマネギ苗の株元は、覆っていない状態となるのです。
剥き出しのままの株元では、霜が降りた時に根が浮き上がりやすく、とても危険です。
そんな時に有効なのが、敷きワラをはじめとする有機質マルチです。
有機質マルチは、株元に沿って置くことができるため、霜を予防することができます。
お勧めなのは、敷きワラ、もみ殻、もみ殻くん炭ですが、
もみ殻は少々風で飛ばされやすい性質があるので、
同じもみ殻を使うなら、もみ殻くん炭の方が良いでしょう。
もみ殻くん炭は黒い色をしているため、光を集めて保温する効果も期待できます。
ビニールマルチは、畝全体を保温する効果があるので、
畝全体の地温を上げたいのであれば、
ビニールマルチと有機質マルチを併用すると良いでしょう。
地域によって、霜が降りやすい場所と年に数回しか降りないという場所もあります。
霜が頻繁に降りる地域では、苗を植え付けた後から予防策をしておくのが良いです。
霜対策には、ビニールマルチと有機質マルチを併用すると良いです
■根が浮き上がっていたら
タマネギの根は、霜が降りる他に風などによっても浮き上がることがあります。
そのまま放っておくと、根が空気に触れて傷んでいくため、
見つけしだい対処する必要があります。
対処法はとても簡単で、浮き上がった根を土と一緒に押さえるだけです。
栽培しているエリアが広い場合は、足で踏んで戻す方法もありますが、
栽培初心者にとって足で踏むという行為は、とても怖いことです。
心配な場合は、浮いている苗のみを手で押さえれば、問題ありません。
また、浮きあがっているものを素早く戻すためには、こまめな見回りが必要となります。
タマネギは、栽培中の作業があまりない野菜ではありますが、
病害虫や霜による被害を受けることはあります。
定期的に見回ったり、霜が降りそうな気温になった日は見回るようにして、
異常をいち早く発見することも、タマネギを健全に育てるには必要なことです。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期