タマネギ ヨトウムシ

タマネギ栽培.com

タマネギ ヨトウムシ

読了までの目安時間:約 8分

 

スポンサードリンク


ヨトウムシは、様々な植物の葉などを食害する害虫です、終齢近くには5cmにもなります

 

 

ヨトウムシ若齢幼虫

 

 

タマネギはアブラナ科の野菜に比べると、害虫が少ない野菜ですが、
そんなタマネギでさえ、ヨトウムシは食害します。

 

タマネギの害虫であるヨトウムシの特徴や被害の様子、対策などをご紹介します。

 

 

[タマネギ ヨトウムシ]

 

 

■ヨトウムシの特徴

 

ヨトウムシは、正式な名前ではなく通称です。
ヨトウガや、ハスモンヨトウシロイチモジヨトウがそう呼ばれています。

 

タマネギを食害するのは、ヨトウムシの幼虫です。
ガの仲間なので、成虫は葉などを食害することはまずありません。

 

 

 

ヨトウムシの卵

 

 

ヨトウムシは、植物の葉の裏側に卵の塊を産み付けます。
そこから孵化した幼虫は、同じく孵化した幼虫と一緒に若齢の時期を過ごします。

つまり、若齢のうちは団体行動をしているのです。

 

ところが、ある一定のサイズに育つと、それまで団体で葉を食べていた幼虫が、
バラバラに離れていきます。

 

その後、それぞれに葉を食べて生長し、最終齢まで育った幼虫は、
蛹となった後に羽化して成虫となります。

 

ヨトウムシの幼虫は、終齢近くには5cm近くにもなることがあり、
しかもよく食べて丸々と太っています。

 

それならば、見つけた時に捕殺すれば良いように思えますが、
被害を受けている場所があっても、なかなか姿を見つけることができないのが、
ヨトウムシの厄介なところなのです。

 

ヨトウムシは、団体行動をしている若齢のうちなら、まだ昼間に行動をしていますが、
これを過ぎて単独行動をするようになると、夕方以降に行動することが増えていきます。

 

夜に盗む虫と書いて、ヨトウムシという通り、
人の目のない夜間に食害を進めているのです。

 

そのため、昼間に本体を探してもなかなか見つからない、ということがよくあります。

 

 

ハスモンヨトウの成虫

 

 

■発生時期、被害の様子

 

ヨトウムシは、春から秋にかけて、何回か発生する害虫です。

 

ヨトウガの場合は春と秋に発生が多く、ハスモンヨトウなどは、
夏に発生が増える傾向が強いようです。

 

タマネギ栽培は、晩秋から初夏にかけてが栽培期間となるため、
ヨトウムシの被害を受ける可能性は十分あります。

 

ヨトウムシの幼虫は、とても大食漢です。
1匹でもある程度のサイズまで育っていると、
葉脈だけを残して丸裸にしてしまうこともあるほどです。

 

・食害の症状の出方
タマネギ栽培で被害が出る時に多いのが、苗の定植直後の食害です。
苗を植え付けた後、しばらくして畑を見てみると、
タマネギの地上部がなくなっていることがあります。

 

もちろん、病気やその他が原因であることもありますが、
植え付けた場所に残った残骸に、喰い痕が残っている場合は、
ヨトウムシである可能性が高いです。

 

植え付けたばかりの苗を食われてしまうと、その場所が欠株となるため、
植え直しをしなければいけなくなります。

 

さらに時期が遅くなると、苗を再度植え付けるには気温が低くなるおそれもあるため、
とても厄介です。

 

春以降に食害にあった場合も、養分を作り出す、
大切な器官である葉を食い荒らされるため、タマネギにとって良いことはありません。

 

 

ネットを設置する場合は、隙間なくしっかりと

 

 

 

■対策

 

ヨトウムシの卵を産み付けられるのを避けるために、
定植後にネットを設置するのがお勧めです。

 

ヨトウムシの成虫が飛来しても、苗に近づくことができなければ、
産卵することができません。

 

また、ヨトウムシはあらゆる植物を食害する害虫です。
タマネギの周りで育てている植物が被害にあった場合、
成虫がタマネギに産卵しなくても、幼虫がやってきてタマネギを食害することがあります。

 

ネットを設置する場合は、裾の部分などに隙間ができないよう、
しっかりと土などをかぶせて閉じておくようにしましょう。

 

もし食害されているのを見つけたり、糞が残っているのを見つけたら、
あたりをくまなく探して本体を見つけます。

 

・捕殺方法
まだ若齢であれば、団体で駆除することができます。
ただ、終齢に近い状態だと、日中はなかなか姿を見せません。
そんな時は、夕方以降に見回りを行い、本体を見つけたら捕殺します。

 

ヨトウムシの幼虫は、日中に地表付近にもぐって休んでいることが多いので、
日中にタマネギの株元などを少し掘り返し、幼虫を探してみるのも良いでしょう。
日中に土を掘って幼虫を探す場合は、あまり深く掘らなくても構いません。

 

ヨトウムシの幼虫は、地表近くに潜んでいるため、
手でかけるくらい掘っても見つからない場合は、そこにはいないと判断しても良いでしょう。

 

あまり深追いしてしまうと、周りの植物の根に干渉してしまい、
根を傷めることがあるので注意しましょう。

 

いずれの場合も、見つけたらすぐに捕殺します。

土から掘り出したり、葉から追い出すだけでは、しぶとくまた戻ってきてしまいます。
必ず捕殺するか、脱出できないペットボトルなどの容器に集めて処分するようにします。

 

・ヨトウムシに効く薬剤
すでに被害が大きく出ている場合や、栽培エリアが広く、
見回りして個別に対応するのが難しい場合は、薬剤に頼るのも良いでしょう。

 

サブリナフロアブルやバシレックス水和剤、ゼンターリ顆粒水和剤などが使えます。

 

■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期



スポンサードリンク

 

タグ : 

タマネギ 病害虫 生理障害

人気の記事