タマネギ 銅過剰症

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タマネギ 銅過剰症

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タマネギは、晩秋に苗を植え付けて翌年の初夏に収穫をするため、
家庭菜園で人気の野菜の中でも、栽培期間が長いです。

 

栽培期間が長くても、性質が丈夫で育てやすいので、
不動の人気があります。

 

そんなタマネギも、ちょっとしたことで不調を起こすことがあります。

 

生育に必要な養分が足りない時や、
反対に多すぎる時に生理障害と呼ばれる状態になります。

 

タマネギの栽培中、銅過剰症が起こるとどのような症状が出るのでしょうか。

 

 

[タマネギ 銅過剰症]

 

 

■主な症状

 

・鉄欠乏症の症状
タマネギ栽培での銅過剰症の症状は、鉄欠乏症の症状と同じです。

 

正常なタマネギの葉は、葉全体が濃い緑色をしていますが、
淡い黄色の筋が入るようになります。

 

症状が強く出ていると、葉の筋だけでなく、生育不良も起こる可能性が高いです。

 

春の生育期に葉数が少なく、ひょろひょろと貧弱な葉ばかりになったり、
球の肥大期にほとんど肥大せず、小さなまま収穫期を迎えることもあります。

 

銅過剰症が起こっているのに鉄欠乏症の症状が出るのは、
銅と鉄が拮抗関係にあるためです。

 

土に十分な鉄が含まれていたとしても、銅が過剰に吸収されることによって、
鉄の吸収が阻害されて鉄不足の状態になります。

 

そのため、銅が過剰な場合でも鉄欠乏の症状が出るのです。

 

 

■主な原因

 

・環境による銅過剰
一般的な栽培地や土であれば、銅過剰症が起こることは少ないです。

 

けれど、栽培地の周りに銅鉱山があったり、
銅が多く含まれている排水などが流れ込む場所の場合、
土に多くの銅が残って銅過剰になります。

 

排水が流れ込んで銅が増えている場合、流れ込む場所に近いところの濃度が高く、
距離が離れると濃度が薄くなります。

 

どこの銅濃度が高くて低いのかをチェックするのも、栽培に役立ちます。

 

 

■対策

 

・環境の確認
銅過剰は、環境による場合が多いです。

 

鉄欠乏症の症状が出ていて、土の酸度や鉄の含有量に問題がない場合は、
銅過剰か亜鉛過剰の可能性が高いです。

 

栽培している場所の周りの環境をチェックし、銅が増える原因を探りましょう。

 

・客土を入れる、天地返し
栽培地の土の銅含有量が多い場合は、客土を入れたり、天地返しすると効果的です。
銅の含有量が適正な客土を入れることで、簡単に土がリセットできます。

 

また、深い位置にある土を地表に持ってくることで、
銅含有量の少ない部分にタマネギが根を張り、育つようになります。

 

天地返しは、病害虫の予防にもつながる方法なので、
銅過剰が関係していなくても、定期的に行うのがお勧めです。

 

・酸度の調整
土が強い酸性に傾いていると、銅が溶け出しやすくなり、
銅の吸収が助長されます。

 

土の酸度を計測し、タマネギ栽培に適した酸度になるまで、
石灰などのアルカリ性資材を入れてよく混ぜます。

 

鉄も酸が強いと吸収されやすくなりますが、
銅が多く含まれていることで吸収が阻害されるため、
酸が強い状態を維持しても鉄は吸収されず、むしろ銅の吸収量が増えるので逆効果です。

 

栽培前の土作りの段階で、一度酸度チェックをしておくのがお勧めです。
あらかじめ酸度調整をしておくことで、他の生理障害の発生も軽減できます。

 

■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期



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タグ : 

タマネギ 病害虫 生理障害

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