パワー
パワー
パワーは、抽苔(ちゅうだい=とう立ち)や、
分球の心配がほとんどないといわれている、
とても栽培しやすい中晩生種に属するタマネギです。
タマネギは、血液をサラサラにする効果の他、がん予防、老化防止、
さまざまな健康効果があるといわれています。
タキイ交配によるこの「パワー」という品種名も、
タマネギの健康効果からつけられたのかも知れませんね。
[パワー]
■パワーの特徴
・抽苔が少ない
抽苔とは、蕾が上へと上がってきてしまうことで、
とう立ちすると、球が上手く丸く太ってくれなくなります。
一般的に、極早生種、早生種は抽苔しにくい性質をもちますが、
中晩生種に属するパワーも、抽苔しにくい性質をもっているので、
とても育てやすいです。
種まきの時期や、低温化での栽培に注意すれば、
ほぼとう立ちしないと言っても良いでしょう。
・分球が少ない
早まきした場合や、苗が大きくなりすぎると、球が割れ、分球が起こりますが、
パワーの場合、分球が起こりにくい性質を持つため、とくに心配はいりません。
抽苔や分球の心配がないことで、とても育てやすい品種であるといえます。
・貯蔵性に優れている
パワーは、中晩生種のため、収穫が6月上旬~下旬と他の品種に比べて少し遅めです。
しかし、その分貯蔵期間は長く、翌年の2月まで貯蔵しておくことができます。
家庭菜園において、貯蔵性が優れているのはとてもうれしいポイントですね。
■パワーの栽培のコツ
・栽培スケジュール
種まきは、冷涼地の場合、8月末頃、中間地は9月中旬頃、暖地で9月末頃が目安です。
苗の定着は、だいたい55日間ですので、10月末頃から11月末に行います。
収穫は、暖地、中間地、冷涼地の順番で適期が訪れます。
冷涼地の場合は栽培期間が暖地と比べて約1ヶ月ほど長くなります。
収穫は6月上旬~中下旬頃が目安です。
・肥料
肥料は元肥を主体として、やや多めに与えるのが上手に育てるコツです。
止め肥は、3月中下旬頃です。それ以上遅くに肥料を与えないようにしましょう。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
O・P黄
O・P黄
O・P黄(オーピーキ)は、
タマネギの品種の中でも中生種でとても栽培しやすい品種です。
同じ中生種には、O・K黄、O・L黄がありますが、これら2つの品種と比べても、
分球の心配がなく、家庭菜園向きの育てやすいタマネギです。
[O・P黄]
■O・P黄の特徴
・耐病性が高い
O・P黄の一番の長所は、強勢で病気にも強く、栽培しやすいことです。
タマネギに限った話ではありませんが、野菜の栽培には失敗もつきものです。
私自身、これまでにたくさんの失敗を経て、今の家庭菜園に活かしています。
慣れるまでは強勢で耐病性の高い品種からはじめるのがお勧めです。
・貯蔵性に優れている
タマネギは長期保存のできる野菜として知られていますが、
品種によっても保存期間の差は大きく、
早生種など、長く保存できない品種もあります。
O・P黄は、貯蔵性に優れたタマネギですので、
5月下旬~6月中旬頃の収穫の後、
吊り貯蔵をすれば、12月末、年内いっぱいまで保存することができます。
吊り貯蔵すると長持ちします
■O・P黄の栽培のコツ
・水やり
土表面が乾いたら、しっかりと水を与えてください。
ただし、水の与え過ぎは生育不良の原因になるため、
土の表面が乾いてから与えるのを徹底してください。
・間引き
間引きは複数回に分けて行います。
生育の良いものを残して間引きしますが、
O・P黄の場合はどれも良く育ってしまうため、
株間を空けることを目的として、バランス良く間引いてください。
・追肥
中生種にあたるO・P黄は、栽培期間が長いため、定期的に追肥が必要です。
最初は元肥を主体として、追肥を行わないようにします。
止め肥は3月中旬~下旬頃で、それ以降に追肥を行わないようにしてください。
また、吊り貯蔵を行う予定であれば、やや肥料は減らして育てるのが良いです。
・収穫
冷涼地は6月下旬~中旬、
中間地は5月下旬~6月上旬、暖地は5月下旬頃が収穫期です。
吊り貯蔵をする場合は、適期に収穫することが大切です。
適期に収穫することで、年末まで美味しく食べることができます。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
フォーカス
フォーカス
フォーカスは、葉タマネギとしても楽しめるタマネギの極早生種です。
1つのタマネギで、2種類の食べ方を楽しめるので、
家庭菜園にも向いている品種です。
[フォーカス]
■フォーカスの特徴
・3月に収穫できる
マッハや、チャージなどの他の極早生種の収穫期は4月に入ってからですが、
フォーカスは、極早生種の中でも早く、3月からの収穫が可能です。
あまり貯蔵性が高いとはいえないので、中生種、晩生種と組み合わせて、
2品種のタマネギをつくることをお勧めしたい品種です。
・葉タマネギとして食べられる
通常のタマネギとして食べることももちろんできますが、
フォーカス栽培を行うならば、ぜひ、葉タマネギとしても味わって欲しいです。
葉タマネギは、タマネギの玉が肥大する前に収穫した早採り野菜です。
季節は限定されますが、ミネラル、ビタミンも豊富に含まれていて、
緑黄色野菜としての栄養価の高さが魅力的です。
葉タマネギは生でも、シチューなどの煮込み料理でも美味しく食べられます。
体力増強、風邪対策にも適しています。
・作りやすい
とう立ち、分球も起こりにくく、たくさん収穫することができます。
病気にも強いので、初心者向きの品種としても知られています。
■フォーカスの栽培のコツ
・栽培スケジュール
中間地の場合、8月下旬~9月頭頃が植え付けの適期です。
暖地の場合はもう少し遅く、9月中旬頃が適期となっています。
この適期に育て始めると、
3月中旬~下旬頃にはしっかりとしたタマネギが収穫できます。
採れたタマネギは、厚みのある扁円球で、とても形が良くそろいます。
ただし、北海道や東北地方などの寒冷地では、
栽培に適さない場所がほとんどです。
・種まき
幅1メートルくらいの苗床に、条まきし、種が隠れる程度の覆土をします。
その後、ワラや、籾殻で軽く覆い、発芽まで乾かさないようにして管理します。
発芽適温は、約15度~25度です。
発芽適温、水分条件を満たしていないと、
発芽しないこともあるので注意してください。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
マッハ
マッハ
マッハは、極早生種の品種で、
通常よりも早い4月頃からの収穫が可能です。
極早生種は一般的に貯蔵するのには向かないとされていますが、
マッハならば、8月末頃まで貯蔵できます。
貯蔵性に優れた品種と同時に育てれば、
長い間、家庭菜園で採れたタマネギを食卓に並べることができます。
[マッハ]
■マッハの特徴
・生育が良い
草勢旺盛で、低温肥大性に優れています。
耐寒性、耐病性に優れているので、とてもつくりやすい品種です。
・扁円球
マッハは、丸いタマネギというよりは、扁円球の形をしています。
タマネギっぽいか? と言われると、そうではありませんが、
扁円球形タマネギは、包丁で切るとき、安定性があり調理しやすいと思います。
・高品質
色艶も良く、首部も良くしまっているので、切り玉に適しています。
貯蔵も、吊り玉ではなく切り玉のまま行えるのはありがたいですね。
■マッハの栽培のコツ
・栽培スケジュール
中間地の場合、9月中旬頃に植え付けます。
マルチ栽培をする場合は、大体9月下旬頃に植え付けることになりますが、
収穫期にさほど差はないため、マルチ栽培でなくても良いでしょう。
暖地の場合は、9月下旬頃に植え付けます。
マルチ栽培に関しては、中間地同様です。
・早期収穫のために
マッハは、極早生種なので、早どりできるところが一番の特徴であり、魅力です。
4月中旬頃の早い収穫期に良いタマネギを得られるよう、
冬場の生育を抑え、早春から追肥で肥効を高めるようにすると良いでしょう。
マルチ栽培の場合は、全て元肥として肥料を与えますが、
露地栽培の場合は、年明け頃と、2月中旬頃を目安に、追肥を与えてください。
・収穫
収穫は、4月中旬~下旬が適期とされていますが、タマネギの場合は、
葉や茎が黄色っぽくなり、茎が折れ曲がって倒れた頃を目安にすると良いです。
・保存方法
マッハは、一つずつ新聞紙に包んでからカゴに入れ、
風通しの良いところで管理すると、
比較的長い期間貯蔵しておくことができます。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
チャージ
チャージ
チャージは、4月下旬~5月上旬に収穫できる、
極早生種のタマネギに分類されます。
他にも、早生種、極早生種のタマネギはいくつかありますが、
他の早生品種よりも遅くまくことができ、育苗も約50日くらいです。
早く収穫できるので、作りやすく、
家庭菜園に向いている人気品種の一つです。
[チャージ]
■チャージの特徴
・肥大が早い
4月下旬頃より収穫できるタマネギですが、
玉太りも良く、収量性が高くおすすめです。
球に近くまんまると太ったタマネギは、
形も抜群で、玉揃いも良く、食味も優れています。
・丈夫で育てやすい
灰色腐敗病など、タマネギがかかりやすい病気になりにくい特徴があります。
生育も旺盛なので、栽培難易度は低く、
初めてタマネギを栽培する方にもおすすめできる品種です。
・チャージⅡとの比較
チャージも、チャージⅡも同じ極早生種ですが、
チャージⅡと比べて玉の揃いが良いので、
見た目が、とても綺麗なタマネギを収穫できます。
他には、スーパーソニアや、マッハなどの品種が同じ極早生種です。
■チャージの栽培のコツ
・種まきの適期
中間地で露地栽培する場合、9月中旬頃、
暖地ならば、その一週間後が適期です。
マルチングをする場合は、
それぞれ一週間くらい遅れて栽培を開始します。
・収穫の適期
チャージの魅力はやはり、早い時期の収穫ができることです。
極早生種の場合、4月下旬~5月上旬頃には収穫して、
美味しい新タマネギを食卓に並べることができます。
チャージだけに限りませんが、
極早生種のタマネギは貯蔵に不向きな品種なので、
食べる分だけを少しずつ収穫していくのがおすすめです。
・病害虫
チャージは病気に強い品種です。
加えて、極早生種は晩生種と比べ、
病気にかかりやすい気候になる前に収穫できるため、
無農薬野菜としても収穫することができます。
完全無農薬の栽培に挑戦できる品種なので試してみてください。
チャージは、やわらかいうちに収穫すれば、タマネギ独特の癖も少なく、
オニオンスライスサラダなどの生食も美味しく食べられます。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培