奥州玉葱
奥州玉葱
[奥州玉葱]
■奥州玉葱(おうしゅうたまねぎ)の特徴
・晩生品種
晩生品種で、長期の保存が可能です。
奥州玉葱は貯蔵用タマネギの元祖とも言われています。
・固定種
固定種で、元々は泉州玉葱とスイートスパニッシュ(米国産)を、
交配し、育成して、固定種として販売されています。
泉州玉葱は明治時代から泉州地域(大阪南西部)で栽培されていた品種です。
一番人気があった頃には輸出も行われていましたが、栽培面積は減少しました。
甘みがあるので生食で食べたり、加熱して食べられていたそうです。
同じ名前がついていて、種が販売されているのは泉州中高黄になります。
>>泉州中高黄
交配されたもう一つの品種、スイートスパニッシュですが
こちらは米国で育てられていた品種です。
奥州玉葱だけはなく、現在出回っている品種の原型とされています。
この二つを渡辺採種場が掛け合わせ、固定し、できた品種が奥州玉葱になります。
・貯蔵性が良く、萌芽しにくい
吊り貯蔵で1月末まで可能です。
年内は芽が出ないので、長く保存ができます。
・種の寿命は短い
固定種なので種を採取することができます。
種を取るのに向いていますが、採取した種の寿命は特に短く、
高温多湿の環境下では2年持つかどうかくらい、だとされています。
そのため、保存するのには冷蔵庫に入れて保存し、
なるべく早く種を使うようにしてください。
種の寿命を過ぎてしまうと、発芽が悪くなります。
■奥州玉葱の栽培のコツ
・種まきから植え付けまで
一般的な栽培に沿って行います。
あまり大きい苗にしてしまうと、トウ立ちが起こってしまうので、
やや若い苗を植えるようにしましょう。
植え付けは10月下旬~11月初旬が目安です。
植え付けまでは、多湿を好むので、乾燥には注意してください。
・元肥と追肥
長期保存をするなら肥料は少なめにし、中玉くらいに仕上げるようにします。
また、追肥は一般的な晩生品種と同じように行ってください。
・植え付け後
植え付け後は、植え付け前と違い、やや乾燥気味に育てるのが良いです。
・種の採り方
一度タマネギを収穫し、夏の間に一旦保存します。
秋に植えなおして越冬させて、開花した6月、7月頃に種が取れます。
雨が続くと出てこないので、雨よけをして採種するようにしてください。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ 苗の植え方
・ホームタマネギの栽培
甲高ルージュ
甲高ルージュ(こうだかるーじゅ)
松島交配から販売されているタマネギで、2013年に発表された新しい品種です。
[甲高ルージュ]
■甲高ルージュの特徴
・赤タマネギ
ルージュ、と名前がついているように、赤タマネギです。
以前は「ルージュ玉ねぎ」という名前で販売されていましたが、
「甲高ルージュ」に改名されました。
赤タマネギはどちらかというと生食に適しています。
火を通すと赤色が抜けてしまうので、鮮やかな色を生かせる生食がオススメです。
また、この甲高ルージュは辛味が少なく、甘みがある品種です。
・晩生品種で貯蔵性が良い
この品種は晩生品種です。
晩生品種特有の貯蔵性が良く、吊り貯蔵で1月末までの貯蔵が可能です。
・大きさは大玉で甲高
大きさは300g~350gになり、形は甲高です。
また、周りだけではなく、内部まで赤色の着色が良いです。
甲高ルージュは、貯蔵性に優れています
■甲高ルージュの栽培のコツ
・種まきから植え付けまで
一般的なタマネギと同じように苗作りをします。
種まきは気候に合った時期に行うようにします。
育苗期間は約55日を目安にして、日当たりが良く、
排水性、保水性がある土に植えつけるようにしてください。
・高冷地、冷涼地で栽培する場合
甲高ルージュの基本的な栽培は、普通のタマネギと変わりません。
特に冷える地域、霜柱などが出来る地域では、霜柱ができる時期になったら、
タマネギの根元を踏むことで霜柱によって苗が持ち上がることを防ぐことができます。
・元肥と追肥
一般的な元肥で栽培すれば大玉になりますが、貯蔵性を高めたい場合には
やや少なめにし、中玉くらいに仕上げるようにします。
甲高ルージュの追肥は定植後約3週間くらいで一度追肥をして、
3月上旬頃にもう一度追肥をするようにしましょう。
この時、追肥は遅れないようにすることと、土寄せも同時に行うのが良いです。
・収穫時期
甲高ルージュは、4月~5月、高冷地で6月くらいが収穫時期です。
目安ですので、実際の倒伏の状況を見て収穫するようにします。
収穫後は風通しの良い場所で吊り貯蔵をすると貯蔵性が高まります。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
ノンクーラー
ノンクーラー
[ノンクーラー]
■ノンクーラーの特徴
ノンクーラーは、ナント育成から販売されている品種です。
・中晩生品種
大体5月中旬~下旬から収穫できる品種です。
他に中晩生に分類される品種ではネオアースがあります。
・3月まで貯蔵ができる貯蔵向きの品種
タマネギのなかでも特に貯蔵期間が長く、
収穫してから3月まで吊り貯蔵することができます。
吊り貯蔵をしていると、腐ることもありますが、
ノンクーラーは腐りにくく、萌芽が遅いです。
長期間保存するには、涼しい場所で保管することが重要ですが、
このノンクーラーはクーラーいらずで貯蔵が長いことから、
ノンクーラーという名前がついたとされています。
・固定種
タマネギには珍しい固定種です。
固定種なので、栽培して、種とりをすれば何回でも同じタマネギが収穫できます。
種をとるには、タマネギの花を咲かせることで採取できます。
*詳しい種のとり方については、こちらをご覧ください。
>>タマネギ 種の採取方法
・大きさは大玉で甲高
普通に栽培すれば、300g~350gくらいの大きいタマネギが収穫できます。
より貯蔵性を高めたい場合、中玉サイズに仕上げることが重要です。
・暖地、中間地向き
寒さにはやや弱いので冷涼地、特に高冷地には向いていません。
一部高冷地と暖地、中間地で育てられる品種ですが、
暖地、中間地での栽培をオススメします。
■ノンクーラーの栽培のコツ
・種まきかた植え付けまで
暖地、中間地ともに9月下旬くらいを目安に種まきをしましょう。
早く撒きすぎず、苗もあまり大きい苗を植えつけないようにします。
育苗日数は55日~60日が目安です。
・貯蔵性を高めるには肥料は少なめに
長く貯蔵するためには肥料を少なめにし、密植栽培にして、
250gくらいのしまった中玉に仕上げるようにしてください。
・収穫は5月から
収穫の目安は5月中旬~下旬頃です。
目安ですので、実際のタマネギの生育や状態を見て収穫するようにしてください。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
平安球型黄
平安球型黄(ヘイアンキュウケイキ)
[平安球型黄]
■平安球型黄の特徴
・晩生品種
この平安球型黄は中生よりも遅い晩生品種です。
晩生品種ですが、トウ立ち、分球が少なくて作りやすい品種です。
晩生品種は収穫するまで遅く、貯蔵期間も長いのが特徴です。
早生品種、中生品種と上手く組み合わせることにより、収穫をずらして収穫できます。
タマネギを長く収穫したい、収穫時期が遅くても良い、長く貯蔵したい、
という方は平安球型黄を検討に入れてみてはいかがでしょうか?
・貯蔵期間が長い
暖地で6月、冷涼地では6月下旬から7月頭にかけて収穫できるのですが、
収穫してから2月いっぱいまで吊り貯蔵することができます。
吊り貯蔵中でも腐ることが少ないです。
また、タマネギでは貯蔵中に萌芽することがありますが、平安球型黄は、萌芽は遅いです。
・大きさは中程度
大きさはやや小さく、重さは280gくらいの中玉になります。
球形で色ツヤがよく、揃いも良いです。
・密植栽培向き
葉が細いのことと、中玉であることから、密植栽培をしてもあまり影響が出ません。
可能なら、密植栽培をしたほうが良いです。
■平安球型黄の栽培のコツ
・種まき、植え付け
育苗日数は中生品種などと同等ですが、植え付けはやや早めに行うようにします。
晩生品種なので、植え付けが遅れてしまうと、
苗が小さいまま冬を迎えることになり、冷害を受けることがあります。
育苗をする場合、種まきは9月中には終わらせるようにしましょう。
冷涼地は8月中旬頃が目安です。
・密植栽培にする
一般的なタマネギよりも密植にして、
しまったタマネギになるようにしてください。
目安は、10㎡あたり、300本くらいの密植です。
・施肥量は多めに
施肥量はやや多めにするようにします。
特にリン酸とカリを効かせるようにし、
年内中の根の張りをよくするように栽培します。
肥料を止めるタイミングは3月中旬が目安です。
それ以降、肥料を与えないようにしてください。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
サラダたまねぎ
サラダたまねぎ(高農品種)
タカヤマシードから販売されている品種です。
タカヤマシードでは通販は行っていないので、
高木農園などの通販か種苗店などでの購入になります。
*サラダ赤タマネギ 「ルビールージュ(サカタ)」とは、別品種です。
[サラダたまねぎ]
■サラダたまねぎの特徴
・極早生品種
極早生品種の中でも、超極早生品種です。
名前の通り、サラダたまねぎです。
新たまねぎとも呼ばれ、葉つきのまま収穫ができます。
・食味が良い
早くから収穫できるタマネギなので水分が多く柔らかく、甘みがあるタマネギです。
スライスして空気にさらすと、更に甘みが増すという特徴を持っています。
苦味が少ないので食味も良いです。
・固定種
固定種なので、種をとって翌年栽培すれば、同じものが収穫できます。
種の取り方は、こちらをご覧ください。
>>タマネギ 種の採取方法
・暖地、中間地向き
冷涼地には向いておらず、暖地、中間地で栽培ができます。
・収穫期の選択肢が多い
いつ収穫したいかによって、種まきの時期が変わります。
年内中、春に収穫したい場合は、
3月からトンネル、ハウス、苗床などを使って育苗をし、
植えつければ年内に収穫ができます。
1~2月に収穫したい場合は、8月下旬が目安、
2月~3月に収穫したい場合は9月上旬が目安です。
一般的に栽培する場合は、
9月中旬頃までには種まきをすれば3月~4月頃、収穫ができます。
■サラダたまねぎの栽培のコツ
・種まきから植え付けまで
普通に栽培する時は9月中旬を目安に種まきをします。
いつ収穫したいかにより、種まきの時期を選んでください。
・追肥はリン酸、カリを多めに
肥大期には肥料はチッソを少なめにしてリン酸、カリを多めに与えるようにしてください。
チッソが多いと、葉の生育が強くなります。
・温度は15度以上が目安
肥大する条件は温度が15度以上で、15℃以下だと、肥大が緩やかになります。
・乾燥に注意する
発芽、苗の生育を促進するために、乾燥には注意してください。
・収穫時期
普通に栽培し、9月中旬頃に種まきをした場合、収穫時期は3月~4月くらいが目安です。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培