タマネギ 栽培

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タマネギ 軟腐病

読了までの目安時間:約 6分

 

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軟腐病、輸送中に発病することもあります

 

 

購入したタマネギを調理しようと、縦に二つに割ってみたら、
いつものタマネギの臭いとは違う悪臭が広がり、
表皮から数枚中の麟茎が柔らかく、びしょびしょに崩れかけていた!

 

という経験、ありませんか?
そのタマネギ、軟腐病にかかっているのかもしれません。

 

 

[タマネギ 軟腐病]

 

 

■軟腐病の症状

 

タマネギの軟腐病の症状が出始める時期は鱗茎の肥大期からです。

 

感染株は、初め下位の葉の葉鞘部ぶんから灰白色か淡褐色に変わります。
しだいに感染した葉は柔らかくなり、倒れます。

 

感染した葉と同様に、今度は感染した葉の鱗茎部も柔らかくなり、
表層部から柔らかくなります。

 

最終的には感染した鱗茎が腐れて無くなります。
独特の悪臭を放つので、すぐにわかります。

 

タマネギの収穫後に感染した球が見つかることもあります。
もちろん病原菌にとって好条件になると、
貯蔵中や輸送中にも発生します。

 

感染した球とは知らずに切断すると、
白濁腋が切断部からしみだします。

 

 

■軟腐病の原因

 

病原菌は、
エルウィニア・カロトボラ・カロトボラ(Erwinia carotovora subsp.carotovora)
という学名の細菌です。

 

タマネギの発芽適温は15~20度、
生育適温は、地温は16度前後、気温は20度前後ですが、

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラの
生育温度はどれくらいでしょうか?

 

生育平均気温が2度前後~40度前後、
活動適温範囲は32~35度前後で、
気温が上昇するとともに、増加します。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは
タマネギの生育適温に完全に被る菌といえます。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは、
感染した土壌が雨や風などによって飛ばされ、
作物に付くと、作物の養分を利用して増えます。

 

またある程度増えると、作業や風雨や害虫などの食害でできた、
タマネギの茎や葉の傷から入り込み、感染して行きます。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラの発病は、20~35度の間です。
高温になるほど、発病傾向にあります。

 

ですから、発病せず、保菌したタマネギの球が、
運搬中などに32~35度前後の環境条件におかれると、
軟腐病を発病しはじめます。

 

では、圃場ではどのように
エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは生き残るのでしょうか?

 

他の病原菌と同様、
被害株の残渣とともに土中に残り、翌年の伝染源になります。

 

このエルウィニア・カロトボラ・カロトボラは、
深さ25cmくらいでも生育し、
深いところでは70cmにも生息するといわれています。

雨の多い年に多く発生します。

 

タマネギを収穫するときに雨に遭うと、収穫後の発生が多い傾向にあります。

また、すでにエルウィニア・カロトボラ・カロトボラに汚染された、
連作地や低湿地の産地では多発傾向にあります。

 

 

■軟腐病の対策

 

◎感染したら
症状が出ている株を見つけ次第、
圃場から排除し、感染が広がらないように適切に処分します。

 

◎効果的薬剤
農薬は、それぞれの農薬の登録の有無と使用方法に従い、
有効な作物に対し適正に使用してください。

 

薬剤防除は予防散布が効果的です。
強風などでタマネギの葉が傷むと傷口感染が増加するので、
天気が荒れた翌日など、なるべく早く予防的に薬剤を散布します。

 

また、圃場で感染株を発見したら、感染株を排除したあと、
カスミンボルドー、スターナ水和剤、マテリーナ水和剤、
ヨネポン水和剤などを散布します。

 

◎軟腐病の耕種的防除法
耕種的防除法は、
・排水不良の圃場で発生が多いので、高畝栽培などをして圃場の過湿対策をします。
・密植とチッソ多肥による茎葉の過繁茂にならないように、施肥管理をします。
・発病した圃場ではイネ科やマメ科の植物など、感染しない作物を育てます。
・水やりは葉上から極力行わないようにします。
・管理中に植物を傷つけないように注意します。
・食害性害虫を見つけたらできるだけ早くその害虫を駆除します。
・収穫後の鱗茎は十分に乾燥させます。

などがあります。

 

タマネギなど作物の病気は、判断が難しいことがあります。
農協や農業試験場などにご相談ください。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培

 

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タマネギ 病害虫

タマネギ 乾腐病

読了までの目安時間:約 7分

 

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買ったタマネギの中が一部枯れていた……、
という経験、ありませんか?

 

そのタマネギは、乾腐病(かんぷびょう)に、
かかっているのかもしれません。

 

なぜ流通して手元に来たのでしょう?

乾腐病のことを知れば、
その理由がきっとご納得できると思います。

タマネギ乾腐病の症状、対策についてご紹介します。

 

 

[タマネギ 乾腐病]

 

 

■乾腐病の症状

 

タマネギを育てている全ての期間と、
収穫した後の貯蔵中にも発生する病気です。

 

圃場や苗床での育苗期間での感染症状は以下の通りです。

 

重症株では、初め葉の片側ないし葉の全部が黄色くなり、しなびて
根は褐色に変わって、細くなり、ついには枯れてしまいます。

 

軽症の感染株では、何枚かある葉のうちの1枚あるいは数枚が枯れ、
地上部の育ちが悪くなり、葉が圃場に這うように曲がって伸び、
球体ではない扁平なタマネギになります。

 

収穫後のタマネギでは、感染したらどうなるのでしょう?

第1段階は、茎盤部(食べる時捨てる部分)が灰褐色に変化します。

 

第2段階では、茎盤部近くの鱗片(食べる部分)から、
感染部が水浸し状か、乾くかして腐敗します。

 

第3段階では、感染したタマネギ全体に症状が広がります。
外皮(鱗片が茶色くなった部分。こちらも捨てることが多い)、
だけを残してなくなってしまいます。
*タマネギ 乾腐病の画像は、こちらです。
http://www.takii.co.jp/tsk/bugs/ata/disease/kanpu/

 

 

■乾腐病の原因

 

病原は糸状菌の仲間の、
フザリウム オキシスポルム f. sp. セペ
(Fusarium oxysporum f.sp. cepae)
という学名をもつかびです。

 

「f.sp. cepae」はタマネギに感染する菌を示す言葉です。

 

フザリウム オキシスポルム f. sp. セペの、
発病適温は26~30℃です。

25℃以下では、温度が低くなるほど、発病日数は長くなりますが、
18℃以上では発病の可能性があります。

 

感染したタマネギの維菅束で増殖した、
フザリウム オキシスポルム f. sp. セペは、
厚膜胞子をたくさん作ります。

 

厚膜胞子とは、フザリウム オキシスポルム f. sp. セペにとって、
快適でない環境に耐えて、
長い間生き伸びられるようになっている器官のことです。

 

このフザリウム オキシスポルム f. sp. セペの厚膜胞子は、
被害作物株の残渣とともに土壌中に混入します。
その後、数年~十数年間、土壌で生き残るといわれています。

 

フザリウム オキシスポルム f. sp. セペがいる土壌にタマネギを植えると、
厚膜胞子から発芽管が伸び、タマネギの根や傷口から進入し、
導管内で増殖しはじめます。

 

感染したタマネギは、
フザリウム オキシスポルム f. sp. セペに栄養を奪われ、
導管を占拠され、水分も吸収できず、
さらにフザリウム オキシスポルム f. sp. セペの出す毒素で、
生育が阻害され枯死してしまいます。

 

 

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感染させないことが大切です

 

 

■乾腐病の対策

フザリウム オキシスポルム f. sp. セペは、
典型的な土壌伝染性の病害です。

 

一度土壌にこの菌が入ると簡単には駆逐できませんし、
高温期にタマネギを植えると必ず発病します。

 

従ってフザリウム オキシスポルム f. sp. セペを、
圃場に入れないことが防除の第一歩になります。

 

フザリウム オキシスポルム f. sp. セペの伝染経路は、
・種子
・運搬用や耕運用の大小農機具
・農具
・履き物
・堆厩肥
・潅漑水
・強風や大水で汚染土壌が移動した

などが考えられます。

 

これらを一つひとつ点検したり、
多発圃場では連作をしないことが大事です。

 

またフザリウム オキシスポルム f. sp. セペの、
対抗性品種を植えるのも一案です。

 

◎感染したら
感染した株を見つけ次第、株の根まできれいに抜き、
圃場外で適切に処分します。

感染株が見つかった年以降は、なるべく輪作し、連作を避けます。

 

◎効果的薬剤

農薬は、それぞれの農薬の登録の有無と使用方法に従い、
有効な作物に対し適正な時期に、適正な使用回数や、
適正な希釈倍数などを守って使用します。

 

また、使用期限を必ず守り、
使用期限までに使いきれずに残った農薬や空き容器は、
専門の廃棄業者に引き取ってもらいます。

 

さて、薬剤防除の一番の目的は、貯蔵中の発病を防ぐことにあります。

乾腐病対策の土壌消毒剤は、キルパー、ガスタード微粒剤などがあります。

 

定植のときは、トリフミン水和剤、ベンレート水和剤などに、
苗の根を浸して消毒した後に定植します。

 

◎乾腐病の耕種的防除
耕種的防除としては
・水はけの良い圃場にします。
・発病した株は、抜き取り、圃場外に持ち出し、適切に処分します。
などがあります。

作物の病気の診断は、判断が非常に難しいときがあります。
すぐに農協や農業試験場などの公共指導機関にご相談ください。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培

 

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タマネギ 病害虫

タマネギ べと病

読了までの目安時間:約 9分

 

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育っていくタマネギ

 

 

タマネギのべと病とはどのような病気でしょうか。
べと病の症状や原因と対策をご説明します。

 

 

[タマネギ べと病]

 

 

■べと病の症状

 

タマネギのべと病には、全身感染型と二次感染型の2つの型があります。

 

・全身感染型べと病
秋に感染し、2~3月になってから発病する型のべと病のことをいいます。

枯死する場合もありますが、

軽症なら冬の間にタマネギの株全体へ蔓延し、越年罹病株になります。
*越年罹病株とは、年内に感染し翌年に発病する株です。

 

越年罹病株の葉は、光沢がなくなり、淡黄緑色になります。
感染したタマネギは生育が遅れ、
葉は横にいくらか湾曲するように伸びます。

 

春先の温暖で多湿な条件下では、
全身に白色のつゆ状か、暗紫色のかびを生じます。

 

・二次感染型べと病
春と秋に発生します。
葉に長めの卵形か楕円形の黄色がかった大型の斑点(病斑)ができます。

 

湿度が高い時には斑点状に白や暗紫色のかびが出ます。
病斑がタマネギの葉を一周してしまうと、そこから先の葉が折れて枯れます。

 

 

■べと病の原因

 

べと病はタマネギだけの病気ではありませんが、
タマネギのべと病の病原は、
糸状菌(かび)のペロノスポラ デストラクター
(学名:Peronospora destructor (Berkeley) Caspary)です。

 

この病原菌は鞭毛菌類の一種で、
菌糸や卵胞子や分生胞子をつくります。
卵胞子は丈夫で、土壌中で10年以上も生存できます。

 

さて、ペロノスポラ デストラクターは
どんな特徴のかびなのでしょうか?

絶対寄生菌です。生きた野菜の細胞でしか生活できません。
つまり人工培養ができない糸状菌です。

 

土の中で10年以上も卵胞子で休眠します。

驚きの生命力を持つペロノスポラ デストラクターの、
ライフサイクルはどうなっているのでしょうか?

 

ペロノスポラ デストラクターの分生胞子は、
直接発芽、菌糸発芽をします。
発芽したら、タマネギの葉の気孔と角皮から感染します。

 

分生胞子の発芽適温は10℃前後です。
発病適温は13~20℃と比較的低めです。
そのため、盛夏の時期の発生は少なくなります。

 

タマネギに侵入した病原菌は
細胞内に吸器を作って養分を吸収します。

 

分生胞子の形成は、温度、湿度、光線などの発病環境や、宿主の感染具合、
近くに宿主となりうる元気な作物があるかなどに影響されますが、
これらの条件が整うと繰り返し分生胞子が形成され、伝染し、蔓延します。

 

ペロノスポラ デストラクターの分生胞子は、
タマネギの葉の気孔と角皮から感染するのですが、
どうやって土壌中から感染するのでしょうか?

 

10~11月に雨などで葉上にはね上げられたり
土寄せなどで土が作物の葉に付着したりして伝染し、発病に至ります。
感染した株のうち重症の株はいずれ枯死します。

 

タマネギの春の二次伝染の多くは、
全身感染株の胞子によるものがおおいです。

 

気温が15℃前後の雨が多い時に発生することが多く、
特に4月中旬~5月上旬の曇りや雨の天気が続くと多発します。

 

しかし梅雨明け以降は気温の上昇に伴い、
べと病菌の発病適温(13~20℃)から外れるため、
勢いが衰えます。暑さに弱い菌といえます。

 

べと病菌は栄養繁殖器官として、
菌糸や分生胞子(遊走子のう)を被害部上につくります。
これらが標徴として、霜状に感染部分(病斑)の上に見られます。

感染部分を顕微鏡で見ると感染した作物の気孔から、
分生子柄と分生胞子が出ています。

 

タマネギの感染株が枯死寸前になったり
べと病菌にとって不良環境になったりすると、
病組織内で耐久体の卵胞子を形成します。

 

卵胞子で越夏や越冬して
第一次伝染源になるための準備をします。

 

 

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小さいけれど収穫して味見♪

 

 

■べと病の対策

 

排水の悪い圃場では高畝栽培にするなど、
圃場がじめじめしないように整備します。

 

健全なタマネギの苗を植えます。

越年罹病株から被害が広がるので、
圃場で発病株を見つけたら除去します。

また過去発病した圃場での連作は極力避けます。

 

◎感染したら
圃場でタマネギの発病株を見つけたら、即座に圃場外に除去します。
感染源になるので、圃場内に感染株を放置しないようにします。

 

◎効果的薬剤
農薬は、使用方法に従い、有効な作物に対し、
適正な時期、使用回数、希釈倍数などを守って使用します。

 

農薬は、使用期限を必ず守り、使いきれずに残った農薬や空き容器は、
必ず専門の廃棄業者に引き取ってもらいます。
「農薬取締法」で検索するとより詳細が分かります。

 

では「べと病に効果的な薬剤」に戻ります。

定植圃場が以前、べと病菌が発生したなど、
伝染の恐れがあるときは予防散布に努めます。

 

多発してからの薬剤散布は、効果が得られないことがあるので、
発生初期の防除時期を逃さないように散布します。

 

まん延期に散布をしなければならない場合、
べと病菌の分生胞子は降雨後の多湿時に形成され飛散する特徴を利用し、
晴れ間を見計らって防除時期を逃さないように散布します。

 

防除薬剤として、カンパネラ水和剤、ザンプロDMフロアブル、
べトファイター顆粒水和剤、ホライズンドライフロアブル、
ランマンフロアブル、レーバスフロアブルなどがあります。

 

◎べと病の耕種的防除
耕種的防除には、以下の方法などがあります。

 

・発病したことのない場所や土で苗床をつくります。
・発生した圃場では、連作を避けます。
・べと病菌にかかっていない健全な苗や種子を使います。
・苗床や圃場の排水がよくなるように整備します。
・多湿になる条件を排除します。

 

たとえば、過密なタマネギの播種を避けます。
定植するときも密植せず、疎植にします。
ハウス栽培やガラス室栽培では、湿度が高いと発生しやすいので、
風通りや採光や排水がよくなるように工夫します。

 

土壌中の病原菌が跳ね上がらないように、
敷藁やマルチで土壌の飛散対策をするのが良いです。

 

越年罹病株の発生に注意し、胞子形成を始める前に抜き取ります。
べと病菌に感染した株や感染して枯死した株は、
感染源にならないよう、タマネギの株は圃場外で処分します。

 

感染した株や苗は、焼却するか、土中深く埋めて処分します。
収穫後は、タマネギの葉などを適切に処分し、
分生胞子が圃場内に残らないようにします。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培

 

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タマネギ 病害虫

タマネギ 苗立枯れ病

読了までの目安時間:約 9分

 

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そろそろ収穫の季節です

 

 

苗立ち枯れ病は、育てている作物が
タマネギの苗の時期に発生する病気です。

苗立ち枯れ病とはどのような病気でしょうか?

 

 

[タマネギ 苗立ち枯れ病]

 

 

■苗立ち枯れ病の症状

 

「苗立ち枯れ病」という名前の通り
発芽してから1~2枚葉が出た苗に多く出る病気です。

 

立ち枯れ病になった苗は、
地表面近くの苗の部分が白く変色します。
変色した部分が柔らかくなり、くびれて倒れます。

 

葉身の1本だけが枯れることもありますが、
苗立ち枯れ病にかかった苗は症状が進むと、枯死します。

 

苗密度が高く、湿度が高い条件下では感染した苗の苗元付近に、
褐色で綿あめのようにふわふわした菌糸が見られることもあります。

 

過去、苗立ち枯れ病の発生した圃場(田畑)で栽培するときは、
感染することがある病気なので、予防後に播種や定植する必要があります。

 

 

■苗立ち枯れ病の原因

 

タマネギの苗立ち枯れ病の病原は、
リゾクトニア属 ソラニ(学名:Rhizoctonia solani Kuhn)の糸状菌が、
大部分を占めています。

 

タマネギの苗立ち枯れ病の病原は、
他にピシウム属(学名:Pythium )の糸状菌も原因になる場合もあります。

 

この苗立ち枯れ病はタマネギ特有の病気ではなく、
農作物全般で起こる病気です。

 

作物によって苗立ち枯れ病の病原菌の種類は異なりますが
苗立ち枯れ病を起こす病原は、日本全国に分布している菌類です。

 

また、同じ作物の苗立ち枯れ病に複数の病原菌が関わる場合や、
一種類の病原菌が複数の作物の苗立ち枯れ病を起こす場合もあります。

 

さて、リゾクトニア属 ソラニは、どんな特徴のかびなのでしょうか?
土壌の表面近くに生息しています。

 

地際部分の葉柄や胚軸、茎を枯らし、
苗立枯れ、茎腐れ、芽枯れ、株腐れ、尻腐れ症状を起こします。

このようなリゾクトニア属 ソラニを地表型の系統と呼びます。

 

ゾクトニア属 ソラニは、高温多湿が大好きです。

土表面が9℃以下では活動しませんが、
土表面近くが20℃になると潜伏期間が3日となり、短時間で蔓延します。

 

リゾクトニア属 ソラニは菌糸、厚膜化細胞、菌糸塊、菌核を作ります。
酸素が不足したり、9℃以下になると活動が弱まり、

数年ほど菌核の状態で休眠して生き延びますが、
休眠していないときは、新しい有機物だけから栄養を摂取して繁殖します。

 

今度はリゾクトニア属 ソラニを生育条件からみてみます。
リゾクトニア属 ソラニは、高温性菌の仲間です。

高温性菌とは、50℃以上でも活動できる菌のことを言います。
暖かい方が活発になる菌の仲間です。

 

リゾクトニア属 ソラニは、土表面が9℃以下では活動せず、
土表面近くが20℃になると潜伏期間が3日となることは前述しましたが、
この温度帯がポイントになります。

 

タマネギの育苗は、地下の生育適温が16℃前後のため
育苗を地温が20度近い時期に行うと、
苗立ち枯れ病にかかる危険があるというわけです。

 

このような特徴のある菌なので、
タマネギの立ち枯れ病の病原菌は消毒などの予防策を講じないと、
土壌中で生き残ってしまい、タマネギの育苗中に感染することがあります。

 

 

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収穫前の倒伏のようす

 

 

■苗立ち枯れ病の対策

 

リゾクトニア属 ソラニの特徴や生育条件から、
苗立ち枯れ病の発生した畑や土を使った育苗を避けることが早道です。

 

苗立ち枯れ病の発生した土壌やその多能性のある土壌で育苗をする場合は、
育苗用の土を消毒してから播種し、予防に努めます。

 

施設やトンネルを利用した育苗をする場合は
多湿になりすぎないように、換気をすることも大切です。

 

◎感染したら
苗立ち枯れ病は発病すると、あっというまに感染が広まるので、
育苗床の状態をこまめに観察し、広まる前に防除します。

 

感染した場合、速やかに感染した苗を取り除き、
育苗施設や圃場の外に廃棄処分します。

 

感染源になるので、感染した苗を施設や畑に放置してはいけません。
感染した苗は、土中深くに埋めるか、焼却処分します。

 

◎効果的薬剤
効果的薬剤のお話の前に、
農薬を使うときに留意したいことを記しておきます。

 

農薬は、それぞれの農薬の使用方法に従い、
有効な作物に対し、適正な時期に適正な使用回数で、
適正な希釈倍数などを守って使用します。

 

また、使用期限を必ず守り、
使用期限までに使いきれずに残った農薬や空き容器は、
必ず専門の廃棄業者に引き取ってもらいます。
「農薬取締法」で検索するとより詳細が分かります。

 

では「苗立ち枯れ病に効果的な薬剤」に戻ります。

 

タマネギの苗立ち枯れ病の薬剤による防除は、
発生の極めて初期か予防散布に重点をおいて行います。

 

土壌消毒は、クロルピクリン錠剤、クロールピクリン、
バスアミド微粒剤、キルパー(リゾクトニア菌)などが良いです。

 

また、オーソサイド水和剤80で育苗時に薬液を散布したり
粉衣した種子を撒くのも有効です。

 

なお、病原菌の診断は非常に判断しにくい場合があります。

詳しくは、農協や公共の指導機関(たとえば地域の農業試験場)に、
相談されると間違いがない少ないでしょう。

 

薬剤による化学的防除をなるべく避けたい方は、
耕種的防除と最低限の薬剤防除を組み合わせた防除をお勧めします。

 

◎苗立ち枯れ病の耕種的防除 
・春から夏にかけて、青刈り植物や未分解有機物を圃場にすき込むと、
病原菌の生育がよくなり、土中の菌糸密度が高くなるので、避けます。

 

・感染した株や苗は圃場に放置せず除去します。
除去した感染した株などは、土深くに埋没するか、焼却処分します。

 

・育苗床には健全土壌を使用します。
また、直播の場合は連作を避け、無病畑で栽培します。

 

・立ち枯れ病の病原菌がリゾクトニア属菌の場合は、
休作期に圃場を湛水処理して菌密度を低下させます。

 

・ハウスやトンネル、育苗施設では多湿を避けるために、
換気をし、病原菌の蔓延を抑える工夫をします。

 

・トウモロコシやイネ科の牧草等と2~3年輪作は、
病原菌の密度を減少させることに効果的です。

 

苗立ち枯れ病が出始めたら、すぐに薬剤防除も活用し、
被害を最小限度に食い止めるようにします。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培

 

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タマネギ 病害虫

タマネギの害虫

読了までの目安時間:約 5分

 

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タマネギの葉を良く観察します

 

 

タマネギの害虫は、それほど種類はありません。
しかし、大量に発生すると被害が大きくなるので、
防除することが大切です。

 

害虫に気をつけなければならないのは、
秋まき栽培では球の肥大期です。

 

春まきのタマネギは、夏に生長するので、
秋まきタマネギよりも害虫の発生に注意が必要です。

 

 

■タマネギの害虫

 

・ネギアザミウマ
幼虫も成虫も、食害します。
成虫は、体長は1㎜で細長く、褐色です。

 

幼虫は体長が1㎜以下で黄色く細長く、一見ウジ虫のようです。
成虫も幼虫も葉の汁を吸います。

 

被害に合った葉は褐色のかすり状の傷ができます。
被害がひどい時には枯れてしまうことがあります。

 

・対策
秋まきのタマネギでは気温が上がってくる肥大期に注意が必要です。
北海道のように春まきのタマネギを育てる時は、
7月~8月の発生に注意が必要です。

被害が発生したらウララDFやディアナSCを散布します。

 

 

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ハモグリバエの跡

 

 

・ネギハモグリバエ
成虫は体長2mmのとても小さなハエです。
食害するのは幼虫です。

 

幼虫は体長が4㎜まで生長します。
葉の内部に入り込んで食害していきます。

 

食害された葉は迷路をかいたような白い筋ができます。
食害された葉を裂いてみると、犯人の幼虫が潜んでいます。

成虫が葉の先端に一列に卵を産み付けていきます。

 

・対策
見つけたら摘み取っておきましょう。
秋まきのタマネギでは、肥大期に発生しやすくなります。

 

春まきのタマネギでは苗の植え付け時期に発生しやすくなります。
発生時にはダイアジノン乳剤40かマラソン乳剤を散布して退治します。

 

・ネギコガ
蛾の幼虫が食害します。
ネギコガの幼虫は黄緑色で、
体長は大きくなると1㎝くらいになります。

 

葉の内部から食害し、
さなぎになる時期になると葉に穴をあけて脱出します。

 

・対策
幼虫は葉に住み着いているので、
食害された葉を裂いてみると見つけることができます。

 

秋まきのタマネギでは、肥大期に発生します。
アディオン乳剤がよく効きます。

 

 

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ヨトウムシは大発生するので注意します

 

 

・ヨトウムシ
ヨトウムシは一度に数十から数百の卵を産むため、
卵を産み付けられると大発生します。

 

幼虫が一度に葉を食べるので葉が穴だらけになってしまいます。
ヨトウムシは夜に活動し、昼間は土の中に潜んでいます。

 

・対策
できるだけ早期に発見し、対策をしたほうが賢明です。
プレオフロアブルやアディオン乳剤を散布します。

 

・タネバエ
タネバエの幼虫が、鱗茎に潜り込み、中から食害します。
鱗茎の内部が空洞になってしまい、被害に合った株は枯れてしまいます。

 

・対策
南日本では3月~6月に注意が必要です。
タネバエは腐ったものに寄っていきます。

 

肥料に油かすや鶏糞を用いると被害に合いやすくなります。
定植時にダイアジノン粒剤5などを撒いておくと予防できます。

 

■参考

・タマネギの病気
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培

 

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タマネギ 病害虫

タマネギの病気

読了までの目安時間:約 8分

 

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tamanegi

タマネギは病気の被害に合いやすい野菜です。
病気を防ぐには生長に合った管理をしていくことも大切です

 

 

しかし、病気の発生は天候や気温が原因になることも多く、
完全に防ぐことはできません。

 

タマネギがかかりやすい病気を熟知し、早めに対処できれば、
病気を事前に防ぐことや広がるのを防げます。

詳細をご紹介していきます。

 

 

■タマネギの病気

 

・苗立枯れ病
発芽し、葉が1~2枚くらいに育ったころに発病します。

 

・症状
葉が青白くなり、軟化してくびれができます。
やがて倒伏し、枯れてしまう病気です。

 

・対策
糸状菌が原因で、高温時に発生しやすくなります。
病原菌は、土壌や枯れた植物の中で増殖します。
連作を避け、土壌を太陽熱などで殺菌して防ぎます。

 

・べと病
全身感染と二次感染があります。
全身感染は秋に感染し、2~3月に発病します。

 

・症状
葉に光沢が無くなり黄褐色になって大きく湾曲します。
葉にたくさんの分生胞子が発生します。
春と秋に分生胞子が二次感染をおこします。
楕円形の大きな病斑ができ多湿時にかびていきます。
多くの株は病斑の部分から枯れてしまいます。
土壌に10年ほど生息できるカビが原因で起こります。

 

・対策
4月~5月に雨が多いと発生しやすくなります。
畑の排水を良くしておくと予防につながります。

 

・灰色かび病
生育過程の末期に発症します。

 

・症状
感染すると、葉に白い楕円形の斑点ができるようになります。
4月以降はかすり状で輪郭が不明瞭になります。
葉が委縮するようなことはありません。
ボトリチス菌が原因で起こります。
タマネギでは、4種類のボトリチス菌が寄生します。
多湿な環境で発生しやすくなります。

 

・対策
畑の排水を良くしておきます。
風通しを良くし、多肥を避けます。

 

 

tamanegi

タマネギの貯蔵法も大切です

 

 

・乾腐病
生育中のすべての期間で、また貯蔵中にも発生する病気です。
軽症の時は発育が悪くなり葉が湾曲します。
ひどくなると葉が黄色くなり、萎縮して枯れてしまいます。
根の付け根に白いカビが生えることもあります。
貯蔵球では基盤部から腐敗が始まります。
土壌が菌に汚染されていることで起こります。
土壌に生息している原因菌が、根や葉の傷口から侵入して発病します。
土壌が汚染されていると、高温になると必ず発病すると考えていいでしょう。
連作を避けるのが被害を防ぐ方法になります。

 

・灰色腐敗病
葉鞘増大期に感染し、下から2~3枚目の葉が枯れていきます。
ひどくなると立ち枯れ多様な状態になってしまいます。
感染すると球の肥大が悪くなります。
貯蔵球のカビの原因にもなります。
病気に感染した球の残骸から感染が広がります。
1月~3月に雨が多いと発生しやすくなります。
また、吊り下げて乾燥している時期に湿度が高いと発生しやすくなります。
貯蔵中に感染した球が混ざっていると、病気が広がっていきます。
被害に合った球を畑の外にだし処分することや、
水はけを良くすることで予防します。

 

・萎黄病
苗が黄色くなり、ブヨブヨとした軟弱な状態になります。
症状がひどいと枯れてしまいます。
菌を持っている雑草からヒメフタテンヨコバイが媒介して発生します。
種を播いた後は寒冷紗で覆って虫の侵入を防ぎます。
畑周辺の雑草を刈ることで予防します。

 

・黒穂病
本葉が2~3枚の時に発生します。
苗がずんぐりとした形になり、色が薄くなります。
病変部分は黒ずんで見えます。
感染すると枯れてしまいます。
土壌に住み着いている病原菌が侵入して発症します。
種を深く植えると病原菌に接する機会が増えてしまいます。
多発しているのであれば、連作を避けましょう。

 

 

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畑の排水性や連作対策も気をつけます

 

 

・白色疫病
主に葉に発生します。
葉の中央から先にかけて、
形の整わない不鮮明な暗緑色で水浸状の病斑ができます。
病斑は拡がって行って葉が曲がって垂れ下がり、先端が枯れてきます。
病斑が古くなると葉先体が白や灰白色になります。
多湿の環境で発生しやすくなります。
畑の排水を良くして予防します。

 

・軟腐病
球の肥大期に発生します。
葉の根元から茶色く柔らかく腐ったようになり、葉が倒伏します。
軟化は球にも発生し、悪臭を放ちます。
土壌に生息する細菌によって感染します。
多湿の時期に発生しやすくなります。
畑の排水を良くしておきます。

 

・黒カビ病
貯蔵中に発生します。
外皮をむくと、黒いカビが密生していきますが、
球全体が腐敗することはありません。
高温で風通しが悪いと発生しやすくなります。
梅雨時期の貯蔵には注意が必要です。

 

・紅色根腐病
生育中いつでも発生する可能性があります。
根が赤く変色します。
軽症であれば根の変色だけで済みますが、
ひどくなると球の内部に空洞ができます。
土壌に住んでいる最近が原因で起こります。
連作を避けることで被害を防ぎます。

 

・さび病
葉に錆のような赤褐色の小さな斑点ができます。
やがて病変部が裂け、橙黄色の夏胞子が飛び散ります。
暗褐色の病変ができることもあり、病変部の下に冬胞子が潜んでいます。
タマネギでは大発生はしません。
病気にかかった株を見つけたらすぐに抜き取って処分します。

 

・小菌核病
葉に退色した縦長の病変ができます。
ひどくなると白くなり、枯れてしまいます。
病原菌は土壌に住み着いていて感染します。
連作をしないようにしましょう。

 

・黒斑病
葉に縦長の黒い病変ができます。
この病気によって葉が枯れることはありませんが、
病斑部から折れてしまうことがあります。
カビが原因で起こる病気です。
肥料切れで発生しやすくなります。
追肥を怠らず、排水を良くして予防します。

 

・黒腐菌核病
病気にかかると葉の根元から枯れていきます。
球に黒い菌核がたくさんでき、軟化して行きます。
カビが原因で発生します。
酸性の土壌で発生しやすくなります。
土壌の酸性度を整え、過湿にならないように注意しましょう。
*画像は現在取材中です。
 

■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売

・ホームタマネギの栽培

 

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