タマネギが玉になるわけ
タマネギは、もう日本ではお馴染みの野菜になりました
年中スーパーにも並んでいますし、健康にも良いということで、
タマネギを日常的に食べる方も多いでしょう。
そんなタマネギですが、なぜ玉の部分が丸く肥ってくるのか、
不思議に思ったことはありませんか?
タマネギは、なぜ玉になるのでしょうか。
[タマネギが玉になるわけ]
葉タマネギの収穫、玉は小さいです
■タマネギの生育段階
タマネギは、どのように生育するのでしょうか。
タマネギは小さい頃から、あの玉部分があるわけではありません。
まだ小さな苗の頃は、玉になる部分はすらっとしていて、
緑の葉の延長でしかありません。
それが生育して苗が大きくなると、一定条件を受けて肥大が始まるのです。
この一定条件というのは、タマネギの品種によって少しずつ変わるので、
品種に合わせた栽培を行うことで、立派なタマネギに育ちます。
家庭菜園でタマネギを育ててみたものの、肥大しないうちにトウ立ちしたり、
分球してしまった場合は、品種に合った栽培法ではなかったのかもしれません。
■タマネギが玉になるわけ
そもそも、タマネギの玉部分は、なぜあのように肥るようになったのでしょうか。
これは、タマネギの原産とされる地域の気候と、
それに合わせたタマネギの性質によるものが大きいです。
・中央アジアの気候
タマネギの原産とされる中央アジアでは、
夏は暑く冬は寒い気候の場所が意外と多く、日本と少し似ています。
特に夏は、雨があまり降らない時期もあるため、植物が育つには過酷な環境です。
そのため、中央アジア原産の野菜の中には、真夏は休眠していたり、
発芽せずに種の状態でじっと良い気候になるのを待つ植物が多いそうです。
タマネギもその中の1つです。
日本で栽培されているタマネギも、多くは夏に休眠を迎えます。
休眠すると地上部の青い葉の部分が枯れ、玉だけが残ります。
そしてまた涼しい時期になると、玉から芽が出て生育を始めるのです。
さて、休眠するよ~!
・休眠に入るための準備
夏の暑い時期を休眠状態で過ごし、
その後にまた新しい芽を伸ばすためには、ある程度養分が必要です。
タマネギは玉の部分を1枚1枚分厚く肥大させることで、
この中に養分と水分を溜めこみます。
タマネギは種を残すこともできる野菜ですが、こうして玉部分に養分を蓄えて
耐えることで、次のシーズンまで生き残る方法を見つけたのでしょう。
タマネギの玉の部分は、根と思われることが多いですが、実は葉が変形したものです。
この肥大する葉の部分は、鱗葉と呼ばれていますが、
いったん養水分を蓄えた後、外側の鱗葉のみが乾燥し、硬くなります。
外側の鱗葉が乾燥すると薄くなり、色も茶色くなります。
ここまでになると、普段よく見かけるタマネギと同じ状態となります。
外側の鱗葉を乾燥させることで、余計な湿気や暑さから、
中の養水分を溜めた鱗葉と、新しく伸びる芽の部分を守っているのです。
こう考えると、タマネギの形態は、
過酷な環境下でも生き残れるような仕組みになっています。
たっぷりと養分と水分を蓄えているからこそ、
食べた時に甘みや旨みを感じられるのでしょう。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期