タマネギ栽培 3月
3月のタマネギ畑 兵庫県(淡路島)
タマネギ栽培は、収穫までに晩秋から初夏までかかるので、
野菜の中でも収穫までの栽培期間が長いタイプです。
3月になると、2月に比べると暖かいと感じる日が出てきます。
すると、タマネギの生育も再スタートします。
気温が少しずつ上がってくるこの時期だからこそ、
できる作業ややっておくべきことがあります。
3月も気を抜かず、タマネギ栽培を続けましょう。
[タマネギ栽培 3月]
■3月のタマネギ
3月になると、厳寒期を抜け出すことができるため、
タマネギにもようやく変化が見られるようになります。
生育が再開され、地上部は葉数が少しずつ増えていき、
それとともに葉や軸も太くなっていきます。
早生種など、生育が早いタイプの品種は、
3月には球の肥大が見られる場合もあります。
球が肥大していく様子を見るととても嬉しくなりますが、ここで気を抜くと、
次は病害虫の被害が出やすくなるので、注意が必要です。
■3月の作業
・追肥
タマネギ栽培では、栽培後半の追肥が重要なポイントとなります。
タマネギは、収穫の直前まで肥料がよく効いた状態になっていると、
貯蔵性が悪くなります。
また、食味が悪くなることもあるため、収穫の2か月前くらいには、
最後の追肥となる止め肥を与えます。
止め肥を与えるまでの間に、必要な時期に追肥をしておくことで、
最後まで球の肥大を促すことができます。
止め肥だけに多量の肥料を与えても、それまでの生育が不十分であれば、
球の肥大はあまり見られず、むしろ病害虫の被害が大きくなる原因となります。
タマネギ栽培では、栽培中に3回の追肥を行います。
この追肥のタイミングが、早生種を栽培している場合と、
中生・中晩生種を栽培している場合とで、追肥の時期が変わります。
早生種を栽培している場合、2回目までの追肥は、
すでに終わっている時期です。
3回目の追肥が、2月下旬~3月上旬まで可能なので、
2月に追肥を行っていない場合は、早いうちに最後の追肥を済ませます。
中生や中晩生を栽培している場合は、2回目の追肥時期が2月下旬~3月上旬、
3回目の追肥が3月下旬~4月上旬となっています。
2回目と3回目の間は、1か月ほどあけると、肥効がうまく継続します。
2回目の追肥を2月に行っていない場合は、3月の早いうちに済ませます。
また、2回目の追肥を2月中に行っている場合は、
3月下旬に3回目の追肥を行っておくと安心です。
・水やり
3月に入って生育が旺盛になってくると、
タマネギが要求する水分量も増えます。
あまり強く乾燥させると、根が傷むだけでなく、
肥料の効きが悪くなり、球の肥大にも影響します。
地植え栽培でも容器栽培でも、土が乾いていると感じたら、たっぷりと与えます。
ただし、3月といっても夜間は冷え込むことがあります。
水やりをする場合は、午前中に済ませておき、
夕方には余分な水が切れている状態を作りましょう。
また、水の与えすぎも危険です。
春以降は、気温の上昇とともに、病害虫被害の可能性が高まります。
タマネギがかかりやすい病気の多くは、水はけの悪い状態で発生しやすくなります。
過湿にならないよう注意しましょう。
・葉タマネギの収穫
年内収穫ができず、青立ち状態となったホームタマネギは、
3月くらいまでには、葉タマネギとして収穫しておきましょう。
欲張って球を肥大させようと畑に残していても、分球やトウ立ちをしてしまい、
けっきょくはあまり良い結果になりません。
それなら、葉もすべて食べられる葉タマネギのうちに収穫した方が、
タマネギを無駄にせず楽しめます。
苗から栽培しているタマネギも、葉タマネギとして収穫できます。
株間が狭いと感じる箇所を間引きがてら収穫すれば、
葉タマネギとして食べることができます。
葉タマネギも、新タマネギと同じように、
その時期にしか収穫できない貴重な野菜です。
どのタマネギ品種でも、葉タマネギとして収穫できます。
黄タマネギでは楽しめない、
タマネギの葉のシャキシャキとしたみずみずしい食感を楽しんでください。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期