タマネギ苗 雨
タマネギの苗を植え付ける時期は、11月頃です
この時期は天気が不安定であることも多く、
タマネギ苗を植え付けようと予定していた日に雨が降ることも少なくありません。
また、植え付けた直後に雨が続くこともあります。
タマネギの苗を植え付ける前後に雨が降っていても、大丈夫なのでしょうか。
[タマネギ苗 雨]
■濡れた土への植え付けはNG
タマネギの苗を購入、あるいは育苗し、
さあ植え付けようと思った矢先に雨が降ってくることがあります。
小雨程度であれば、植え付けの作業自体はそれほど影響ありませんが、
タマネギにとってはどうなのでしょうか。
苗を植え付ける予定だった日の前日、あるいは早朝から雨が降り、
土が湿っている時は要注意です。
タマネギの苗の種類は主に3種類あります。
1. ホームセンターなどで見かける根が露出した状態で、束で売られているもの。
2. ポットに複数の苗が土に植えられている状態で販売されているもの。
3. セルトレーに1苗ずつ土に植えられている状態のものです。
この中で、濡れた土に植え付けても良いと思われる苗はどれでしょうか。
答えは、どれも植え付け時には濡れた土を避けた方が良いです。
というのも、雨が降って濡れた土は、触った時にどうしても潰れてしまいやすく、
植え付けの作業の時に土を練ってしまうような状態になります。
土を練ると、植物が育ちやすい団粒構造になっていたものを壊すこととなり、
水はけの悪い状態へと変えてしまいます。
タマネギの根は粗く、栽培中は空気をたくさん必要とするため、
水はけの良い土で育てるようにします。
雨の日に作業すると、団粒構造が壊れます
ところが、植え付け時に土を練ると、団粒構造が壊れて土が粘土のようになり、
すぐに硬くなったり、水はけが悪く新鮮な空気が供給されない状態となります。
どの苗を植え付ける時も、苗の根や根鉢が入るくらいの穴をあけ、
そこに苗を入れて土を寄せ、軽く押さえます。
これだけの作業ですが、穴をあける時にも、土を寄せて軽く押さえる時にも、
土を練ることになるので、どのような苗でも、
濡れた土への植え付けは適していないことになります。
雨に備えてトンネルの準備もします
■植え付け後の多少の雨はOK
植え付ける時に土が濡れているのは良くないので、
植え付け前日や当日に雨が降っている日は避けるようにします。
けれど、植え付けた後に雨が降ってくるのはどうでしょうか。
タマネギの苗を植え付けた後、土を湿らせるために水を与えます。
雨は水やりと同じ働きをするので、植え付け後の雨はそれほど気にする必要はありません。
ただし、植え付け時期によくあるのが、植え付け後何日も雨が降るという状況です。
植え付け後の雨は、植え付け直後のタマネギの根を乾燥させないためには良いのですが、
長く雨が降ると、湿気た状態が続き、根腐れや病気にかかる原因となることがあります。
水はけの良い土を使っている場合は良いですが、水はけが悪い土に植えている場合、
降った雨が土に残り、新しい空気や水が土に入り込まなくなります。
タマネギの根は空気をたくさん要求するため、雨が続くと窒息状態となり、
根腐れを起こしやすくなります。
また、雨粒が土に当たって跳ね上げられることにより、タマネギの葉に泥がつきます。
タマネギがかかりやすい病気の原因となる菌は、土に潜んでいることも多いです。
菌を含んだ泥が葉に付着すると、そこから病気に感染することも少なくありません。
これ以外にも、強い雨が続いた場合、株元に強く雨粒が当たり続けると、
土が流れたりえぐれたりして、根が露出したり苗が倒れたりすることもあります。
植え付けた後も、雨が続くのは良い状態とはいえません。
タマネギの繊細な苗を丈夫にどんどん伸ばしてあげる収穫が良く美味しくなります
■雨が続きそうな時の対処法
植え付け予定日の前後、雨が続きそうな時はとても困ります。
雨が続くからといって植え付け予定日を遅らせれば、
適期を過ぎてしまって生育に影響が出ることがあります。
また、なんとか植え付けた後に、
雨が続く予報が出たとしたら、何か対処法はあるのでしょうか。
まず、植え付け予定日の前に雨が続きそうな場合、
雨が降っている間だけでなく、土がある程度乾くまで待つ必要があります。
数日の間なら問題ありませんが、土が乾くまでに1週間以上もかかる場合は、
適期を過ぎてしまう可能性も出てきます。
・簡易な雨除けをする
そんな時は、植え付けるエリアのみ雨よけをするのが良いでしょう。
曲がる支柱とビニールを使ってトンネル状にして雨を避けたり、
ビニールシートを畝にかぶせておくだけでも雨よけになります。
植え付ける時に触る土の深さは、せいぜい10cmまでです。
この表層部が濡れないようにするだけなので、簡単な雨よけでも十分効果があります。
プランターでタマネギを育てる場合は、
使う予定の培養土が入った袋を、雨の当たらない場所に移動させましょう。
植え付け適期ギリギリになりそうな時は、
雨よけをした上で、雨の隙間を見つけて植え付け作業をするのがお勧めです。
プランターなどは、敷き藁が効果的です
マルチには、もみ殻をまいておくのが良いです
もみ殻は土に戻せるので便利です
・もみ殻マルチをする
植え付け後に雨が続きそうな場合は、マルチが有効です。
黒マルチを使っている場合でも、苗の周りには隙間があいているはずです。
この部分に雨が当たると、苗が倒れたり病気に感染したりする原因となるので、
隙間を埋めておくために有機マルチを使います。
有機マルチの代表といえば、敷きワラがあります。
もちろんタマネギ栽培でも敷きワラを使っても良いのですが、
さらに効果的なのがもみ殻です。
粒が細かいので、黒マルチと苗の間にできた隙間だけをうまく埋めることができます。
もみ殻なら、栽培後に土に混ぜ込むことで、土壌改良の役目も果たしてくれます。
ただ、とても軽いため、風で飛ばされてしまうことがあります。
多少飛ばされても大丈夫なように、
株元を覆う時は1cmくらいの厚さにしておくと良いでしょう。
これ以外にも、土の水はけをあらかじめ改良しておいたり、高畝にしたりして、
水はけの良い環境を作っておくのも大切です。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期