野菜 押し込み移植
タマネギの苗
野菜などの植物を植え付ける時、苗をどのように扱っていますか?
丁寧に扱うのは基本中の基本ですが、丁寧に扱っていると思っていても、
案外粗雑になっていることがあります。
特に根の扱いは要注意です。
根本を指で強く押さえたり、無理に植え穴に押し込むような押し込み移植は、
苗の根を著しく傷つけることがあります。
植え付け時に根を傷めると、根付きが悪くなったり、根張りが悪くなり、
その後の生育に大きく影響します。
丁寧に植え付けをしていると思っていても、
その「丁寧さ」がむしろ生育を悪くしている場合もあります。
[野菜 押し込み移植]
■主根のない場合
タマネギやニンニク、ネギなどの根をよく見ると、
主根と呼ばれる一本の太い根が通っているのではなく、
同じような根がたくさん際から伸びているのが分かります。
こういったタイプの苗の場合、根がばさばさと広がりやすいため、
手で根を丸めたりまとめたりして植え穴に植え付けてしまうやり方です。
特にタマネギやネギなどは、苗を購入してくると、
根がやや乾燥している上に長いことがあります。
そういった苗の根は、ばさばさとまとまりがなく、確かに植え付けにくいです。
植え難いからといって、植え穴に合わせて根を丸めてしまうと、
本来伸びるはずの方向ではなく、根が横向きになってしまいます。
また、根と根の間にできるはずの隙間がほとんどなくなってしまい、
空気や水の通り道がなくなり、土との活着も悪くなります。
ニンニクの根
タマネギなどの苗を植え付ける時は、必ず植え穴を根に合わせるようにしましょう。
根は下向きに伸びるのが一般的です。
きちんと根の先端が下を向くようにしてあげましょう。
タマネギの苗はとても細いので、根鉢の大きな苗を植え付ける時と同じような、
大きな植え穴をあけてしまうと、余計に植え付けにくくなります。
お勧めなのは、細めのヘラのようなものを使い、
植え穴も細長いものをあけて植え付ける方法です。
根がすっぽりと入る深さまでヘラを土に差し込み、左右のどちらかに土を寄せます。
土を寄せたことでできた隙間に、根を先端から折れ曲がらないように入れ、
規定の深さまで埋めたら、土を寄せて軽く押さえます。
ヘラは専用の道具でなくても、
アイスに付属されている長めの木のスプーンなどでも代用できます。
チンゲンサイの根
■主根のある場合
中心に太い根があり、その周りに細い根が発生するタイプの場合も、
押し込み移植は避けるようにします。
レタスやハクサイ、キャベツなどの葉物野菜や、
キュウリやメロンなどのウリ科もこのタイプになります。
野菜の種類によって、太い根の数は異なりますが、
この太い根を曲げて植えてしまうと、生育が悪くなります。
特にまだ苗が小さいうちに移植をする場合は、太い根も細根も少ない状態です。
無理に指先で根を土に押し込むように植え付けると、
どうしても植え傷みが出てしまいます。
このような時期に植え傷みが出ると、
根付く前にしおれてしまうこともあるので要注意です。
タマネギの苗を植え付ける時と同じ要領で、
箸などを使って細長い植え穴を作り、そこに根をまっすぐに植え付けるようにします。
ある程度大きく育った苗であっても、根をぞんざいに扱ってはいけません。
細根の部分であれば、多少切れたところですぐに回復するのでまだ良いのですが、
主根を傷つけるようなことをすれば、たちまち悪影響が出てしまいます。
中心となる主根は、基本的には下に向かって伸びます。
これが横向きになると、思うように生育できずに、
苗に大きなストレスがかかります。
最初は問題ないように見えても、植え付け後からの回復が遅れたり、
新芽や新葉の発生が遅れ、結果として収量に影響するようになります。
また、主根が傷ついたり根張りが悪くなると、株全体の生育が悪くなるため、
細根の発生も悪くなり、株全体の生長も悪くなります。
細根は水分や養分を吸収するための大切な器官です。
細根の量が少ない株は、生育不良になりやすいので注意しましょう。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期