タマネギ イオウ欠乏症
タマネギは栽培期間が長く、
栽培前半は大丈夫でも後半になって何か異常が起こることもあります。
タマネギ自身、基本的にはとても丈夫ですが、必要な栄養が不足していると、
生理障害を起こすこともあります。
タマネギが起こす生理障害の中に、イオウ欠乏症があります。
タマネギがイオウ欠乏症になると、どのような症状が出るのでしょうか。
[タマネギ イオウ欠乏症]
■主な症状
・葉色が薄くなる
タマネギ栽培でイオウ欠乏症が起こると、葉色が薄くなるという症状が出ます。
正常なタマネギの葉は、キレイな濃い緑色をしていますが、
葉の色が薄く黄色~黄緑色に近くなります。
同じ様に葉色が薄くなる症状が出る生理障害に、
チッソ欠乏やマグネシウム欠乏があります。
マグネシウム欠乏の場合は、葉色がまだらに薄くなるのに対し、
イオウ欠乏症は全体の色が薄くなります。
また、チッソ欠乏とは症状がかなり似ていますが、
チッソ欠乏は古い葉から症状が出るのに対し、
イオウ欠乏症は新しい葉に症状が出やすいのが特徴です。
古い葉は正常な色に近いのに、新しい葉の色が薄くなっている場合は、
イオウ欠乏症が原因と考えて良いでしょう。
■主な原因
・長期間の尿素の施用
タマネギ栽培では、硫酸根肥料が一般的に使われることが多いです。
硫酸根が含まれている肥料を使っている場合、
イオウ欠乏症は発生しにくいといわれています。
そのため、タマネギ栽培ではイオウ欠乏症が頻発することは少ないのが実際です。
ところが、硫酸根肥料と同じくチッソを多く含んだ肥料である、
尿素などの無硫酸根の肥料を長期間使用していると、
イオウ欠乏症が発生しやすくなります。
■対策
・硫酸根を施用
長く尿素などの無硫酸根肥料を与えていた場合は、
タマネギ栽培の時だけでも硫酸根を含む肥料に切り替えるのがお勧めです。
栽培中にイオウ欠乏症の症状が出た場合は、
硫酸マグネシウムの1%溶液を1週間おきに数回与え、様子を見ます。
この時、比較用として4株~5株ほどに先に散布し、
症状が改善されるようであれば、被害株全体に散布します。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期