タマネギ ネギコガ
ネギコガの食害
ネギコガは、タマネギの栽培中によく見かける害虫です。
タマネギやニンニク、ネギなどに発生する害虫で、
体は小さいですが、被害が大きくなると厄介です。
ネギコガの特徴や対策法などをご紹介します。
[タマネギ ネギコガ]
■ネギコガの特徴
ネギコガは、ガの仲間です。
成虫も体が小さく、細長い形をしているのが特徴です。
羽を閉じた状態だと、中央に白っぽい斑紋がありますが、
体がとても小さいため、畑で見かける時には、濃い褐色の細長い虫にしか見えません。
成虫でも体長1cmほどと小さく、飛んでいてもほとんど目立ちません。
食害をするのは、主に幼虫の時期です。
卵自体はタマネギの葉の表面に産み付けられますが、
孵化した後に表皮の内側に入り込みます。
その後、幼虫が生長して老齢になると、外に出てきて、
葉の表面に繭を作って蛹となり、羽化して成虫となります。
繭の網目がとても粗く、中の蛹がよく見えるのが特徴的です。
緑色をしているタマネギの葉に、細長い白っぽいものがついているなと思ってよく見てみると、
ネギコガの繭であることが多いです。
ただ、気付いた時には、すでに羽化した後であることも多いです。
ネギコガの繭
■発生時期、被害の様子
ネギコガは、春~秋にかけて発生が多くなります。
冬の間は成虫の状態で越冬しますが、繁殖はほとんどしないようです。
ただし、温室など、低温にならない場所では、
温室内で繁殖することがあるので、要注意です。
発生する回数はとても多く、春~秋の間に、
5回から多ければ10回以上も発生を繰り返すこともあるそうです。
タマネギ栽培は晩秋~初夏であることが多いため、
秋と春以降の発生に注意が必要です。
特に秋に発生が見られた場合は、すぐ近くで越冬している可能性が高いため、
春以降の発生に注意し、予防をしておいた方が良いでしょう。
・症状の出方
ネギコガは、卵自体は葉の表面に産み付けますが、
孵化した幼虫は葉の内側に入り込みます。
タマネギの葉の内側を食害して過ごし、
老齢になってから蛹になるために葉の外に出てくるまでは、ずっと葉の内側で過ごしています。
葉の表皮を残した状態で食害するため、葉には白い線が残ったようになります。
ハモグリバエと似たような食害痕が残るのが特徴的です。
被害が少ないうちは、食害痕もそれほど多くない上に、
幼虫も成虫も体が小さいため、見つけにくいです。
被害が大きくなってやっと気づいても、
すでにかなり食い荒らされた後という場合もあります。
被害が大きくなれば、それだけ葉が傷つけられ、
正常に光合成できなくなる可能性がありますし、
ひどい場合は葉が枯れていくこともあります。
タマネギの葉は、光合成をして養分を作り出し、
その養分を玉部分に溜めこむため、葉はとても重要な器官です。
葉が食害されているのを見つけたら、すぐに対処するようにしましょう。
■対策
ネギコガは、タマネギの葉の表面に産卵します。
卵を産み付けられなければ、葉の内側に幼虫が入り込むこともないため、
最初の産卵を防ぐことが重要となってきます。
タマネギの苗を植え付けた後、防虫ネットなどを設置すると効果的ですが、
網目が粗いと意味がありません。
ネギコガは、成虫でも体長1cmと小さく、しかも細長い体をしているため、
あまり粗い目だと入り込まれてしまいます。
できれば1mm以下の目のものを選びましょう。
・簡単な防除策
もしネットを設置するのが難しいという場合は、見回りと捕殺が重要となってきます。
見回りをこまめに行い、食害痕がないか、卵や繭がないかなどをチェックします。
もし成虫が飛来している場合は、捕殺しますが、
体が小さいので発見できない場合もよくあります。
繭(蛹)の状態のものを見つけた場合は、
箸などで葉からはずした後、処分して捕殺しましょう。
幼虫の食害痕を消すことはできませんが、
成虫になる寸前のものを処分することができれば、
次の世代の数を減らすことができます。
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・ネギコガに効く薬剤
すでにたくさんのネギコガが発生している場合などは、
やはり薬剤を利用するのが便利です。
ネギコガに効果があり、タマネギにも使える薬剤を選びましょう。
発生が多い畑では、あらかじめアディオン乳剤を散布しておくことで、
被害を抑えることができます。
すでに発生が確認されている場合は、
サブリナフロアブルやトアローフロアブルCTなどが使えます。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期