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セットタマネギの栽培
「シャルム」が育てやすく人気です
セットタマネギの栽培とは、
春に種を播いてできた小さなタマネギの球を、
夏の終わりごろに植え付け、冬に収穫するタマネギの栽培方法です。
通常のタマネギは6月頃の収穫になりますが、
セットタマネギは冬に生長し11月~12月には収穫できます。
そのため、球は苦みが少なくフレッシュで、葉も柔らかく、
すき焼きなどに入れて楽しむことができます。
冬に栽培するため、病害虫の心配も少なくて済みます。
セット球は「オニオンセット」「ホームタマネギ」、
という商品名で販売されています。
そちらを購入して育てるのも手軽でよいですし、
本格的に種から育ててみるのも楽しいです。
セット球から栽培しているセット(ホーム)タマネギ
プランターでも気軽に作れます。
■セットタマネギの栽培
セット球をつくるためには、3月ごろに種まきを行います。
・品種
セットタマネギは極早生タマネギでも作ることができますが、
セットタマネギ用の「シャルム」「サラダたまねぎ」、
「はやて」「マッハ」という品種がお勧めです。
・土づくり
良いセット球をつくるためには、苗床づくりが肝心です。
種まきの2週間前に苗床1㎡あたり、
100gの苦土石灰と1.5㎏の完熟堆肥を入れ、よく耕しておきます。
水はけのよい肥沃な土壌を作りますが、
生長期は気温が上昇してくる時期です。
肥料が多すぎると徒長してしまい、
セット球に栄養が行かなくなってしまいます。
・畝づくり
畝は120㎝幅に作り、種まきの前に、
白ビニールマルチとトンネルをかけて地熱を上げておきます。
タマネギの発芽温度は20度以上が必要です。
種を播いてすぐはまだ気温が低いので、
ビニールトンネルで温度を上げる必要があります。
また、生長時期は気温が上がって行く時期になります。
白マルチは地温が上がりすぎるのを防ぎ、水分を保ってくれ、
セット球が安定して生長するのを助けてくれます。
・種まき
3月ごろに種まきを行います。
種は深さ8㎜の溝を掘り、5~8㎜間隔に播いていきます。
覆土してから軽く抑え、水を与えた後は、
乾燥を防ぐために発芽まで新聞紙をかぶせておきます。
発芽後は、トンネルの中を10度以上25度以下に保ちます。
水切れに注意し、雑草が生えないように注意しながら育てます。
・セット球の収穫と保存
5月中旬になったらセット球を収穫します。
葉が3枚くらいに生えそろい、
子球が2㎝~2.5㎝に育ったころです。
収穫が遅れると葉が倒壊してきますが、その前に収穫を行います。
収穫後は、葉を束ねて風通しの良いところで保存しておきます。
このとき、葉が4枚以上の子球は取り除きます。
4枚以上葉が生えたタマネギを植えても、球が肥大しません。
セット球に向かないタマネギは料理に使うことができます。
・畑の準備
セットタマネギは、
8月30日を目安に前後1週間ほどの期間で植え付けます。
*畑の準備以降の具体的作業は、下記をご覧ください。
>>ホームタマネギの栽培
パワー
パワー
パワーは、抽苔(ちゅうだい=とう立ち)や、
分球の心配がほとんどないといわれている、
とても栽培しやすい中晩生種に属するタマネギです。
タマネギは、血液をサラサラにする効果の他、がん予防、老化防止、
さまざまな健康効果があるといわれています。
タキイ交配によるこの「パワー」という品種名も、
タマネギの健康効果からつけられたのかも知れませんね。
[パワー]
■パワーの特徴
・抽苔が少ない
抽苔とは、蕾が上へと上がってきてしまうことで、
とう立ちすると、球が上手く丸く太ってくれなくなります。
一般的に、極早生種、早生種は抽苔しにくい性質をもちますが、
中晩生種に属するパワーも、抽苔しにくい性質をもっているので、
とても育てやすいです。
種まきの時期や、低温化での栽培に注意すれば、
ほぼとう立ちしないと言っても良いでしょう。
・分球が少ない
早まきした場合や、苗が大きくなりすぎると、球が割れ、分球が起こりますが、
パワーの場合、分球が起こりにくい性質を持つため、とくに心配はいりません。
抽苔や分球の心配がないことで、とても育てやすい品種であるといえます。
・貯蔵性に優れている
パワーは、中晩生種のため、収穫が6月上旬~下旬と他の品種に比べて少し遅めです。
しかし、その分貯蔵期間は長く、翌年の2月まで貯蔵しておくことができます。
家庭菜園において、貯蔵性が優れているのはとてもうれしいポイントですね。
■パワーの栽培のコツ
・栽培スケジュール
種まきは、冷涼地の場合、8月末頃、中間地は9月中旬頃、暖地で9月末頃が目安です。
苗の定着は、だいたい55日間ですので、10月末頃から11月末に行います。
収穫は、暖地、中間地、冷涼地の順番で適期が訪れます。
冷涼地の場合は栽培期間が暖地と比べて約1ヶ月ほど長くなります。
収穫は6月上旬~中下旬頃が目安です。
・肥料
肥料は元肥を主体として、やや多めに与えるのが上手に育てるコツです。
止め肥は、3月中下旬頃です。それ以上遅くに肥料を与えないようにしましょう。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培
O・P黄
O・P黄
O・P黄(オーピーキ)は、
タマネギの品種の中でも中生種でとても栽培しやすい品種です。
同じ中生種には、O・K黄、O・L黄がありますが、これら2つの品種と比べても、
分球の心配がなく、家庭菜園向きの育てやすいタマネギです。
[O・P黄]
■O・P黄の特徴
・耐病性が高い
O・P黄の一番の長所は、強勢で病気にも強く、栽培しやすいことです。
タマネギに限った話ではありませんが、野菜の栽培には失敗もつきものです。
私自身、これまでにたくさんの失敗を経て、今の家庭菜園に活かしています。
慣れるまでは強勢で耐病性の高い品種からはじめるのがお勧めです。
・貯蔵性に優れている
タマネギは長期保存のできる野菜として知られていますが、
品種によっても保存期間の差は大きく、
早生種など、長く保存できない品種もあります。
O・P黄は、貯蔵性に優れたタマネギですので、
5月下旬~6月中旬頃の収穫の後、
吊り貯蔵をすれば、12月末、年内いっぱいまで保存することができます。
吊り貯蔵すると長持ちします
■O・P黄の栽培のコツ
・水やり
土表面が乾いたら、しっかりと水を与えてください。
ただし、水の与え過ぎは生育不良の原因になるため、
土の表面が乾いてから与えるのを徹底してください。
・間引き
間引きは複数回に分けて行います。
生育の良いものを残して間引きしますが、
O・P黄の場合はどれも良く育ってしまうため、
株間を空けることを目的として、バランス良く間引いてください。
・追肥
中生種にあたるO・P黄は、栽培期間が長いため、定期的に追肥が必要です。
最初は元肥を主体として、追肥を行わないようにします。
止め肥は3月中旬~下旬頃で、それ以降に追肥を行わないようにしてください。
また、吊り貯蔵を行う予定であれば、やや肥料は減らして育てるのが良いです。
・収穫
冷涼地は6月下旬~中旬、
中間地は5月下旬~6月上旬、暖地は5月下旬頃が収穫期です。
吊り貯蔵をする場合は、適期に収穫することが大切です。
適期に収穫することで、年末まで美味しく食べることができます。
■参考
・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培