タマネギ 冬収穫
冬に収穫できるシャルム
タマネギは、一般的な栽培の場合、秋に苗を植え付けて、
収穫できるのは翌年の初夏となります。
そのため、収穫して間もないみずみずしさを楽しめる新タマネギは、
初夏頃が旬となり、市場に出回るようになります。
けれど、新タマネギがない時期に、新タマネギが食べたくなることもあります。
普段は食べられないものが食べられる、
そんな贅沢は、冬収穫のタマネギがあれば、楽しめます。
タマネギは冬収穫できる野菜なのでしょうか。
[タマネギ 冬収穫]
■タマネギ 冬収穫は可能?
タマネギの一般的な作型といえば、
苗を秋に植え付けて育てて初夏に収穫する、秋まき栽培です。
タマネギは、大きく分けて新タマネギと黄タマネギの2種類がありますが、
新タマネギは日持ちがしないため、収穫時期である初夏頃にしか出回りません。
ところが、冬の間であっても、新タマネギが店頭に並んでいることがあります。
これは、初夏に収穫した新タマネギを長く保存していたのではなく、
正真正銘冬どりをしたタマネギです。
ホームタマネギの種球
では、なぜ初夏に収穫するはずのタマネギを、冬に収穫することができるのでしょうか。
タマネギには、苗を植え付けて育てる一般的な作型の他に、
ホームタマネギやオニオンセットという名前の、冬収穫が可能な作型も存在します。
この場合、植え付けるのは苗ではなく、種球と呼ばれる、直径が2cm~3cmほどの、
小さなタマネギ状のものを植え付けます。
すでに球が少し肥った状態となっているため、芽出し後からの生長が早く、
春まで待たずに球の肥大が始まります。
なので、冬に収穫することができるのです。
ただ、植え付け時期は苗から育てる時とはまったく違い、栽培時には注意が必要です。
また、通常とは少し違う形態で育てるため、栽培管理が想像以上にシビアです。
栽培状況が悪いと、冬までに球が肥りません。
球が肥らないと、年越しさせたくなり、そのまま放っておくことが多いですが、
実際には春を迎えてトウ立ちしたり、分球することも多いため、
栽培としては失敗ということになります。
栽培期間が短いですが、少々手間と気を使う作型のため、
初心者では失敗することも多いのが現実です。
ホームタマネギ(オニオンセット)のように、種球を使わない、
苗から育てる栽培法であっても、2月頃に収穫ができる場合があります。
それは、超極早生品種を育てる方法です。
超極早生、極早生の品種であれば、生長が早く冬の間にほとんど休眠しないため、
通常よりも早くに収穫できます。
早ければ2月頃から収穫が可能となるので、十分冬どりといえる期間です。
ただ、冬の間もほとんど休眠させずに生長を続けさせるには、暖地が向いています。
寒い地域だと、どうしても気温が低くて生長が遅れるため、
通常と同じくらいの収穫時期になりやすく、極早生品種を育てるメリットがありません。
ホームタマネギの収穫
■タマネギ 冬収穫 冬収穫できる品種
タマネギを冬どりするためには、冬収穫が可能な品種を選ぶ必要があります。
タマネギ品種であれば、どれでも冬収穫が可能というわけではないのです。
冬に収穫するということは、
ホームタマネギ(オニオンセット)として育てる、ということになります。
つまり、ホームタマネギ(オニオンセット)に向く品種を選べば良いのです。
冬どりの作型では、生育が早い極早生や早生の品種を選びます。
お勧めなのは、ホームタマネギとして売られていることが多い「シャルム」です。
生長が早く揃いも良いので、冬どり用に栽培しても育てやすいのが特徴です。
苗から育てて2月~3月の寒い時期に収穫したいということであれば、
超極早生や極早生品種を選びましょう。
「タイガージェット」や「冬どり玉葱 白」「新春玉葱」などであれば、
2月頃からの収穫が可能になります。
ただし、ホームタマネギ(オニオンセット)の場合であっても、
超極早生品種を使った秋まき栽培であっても、
通常とは違った性質(生長が早い)を持った品種を育てることになります。
その分、管理が厳しくなるので、栽培には細心の注意が必要になります。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期