玉ねぎ 青立ちとは
タマネギの球が肥らず、地上の葉は青々とした状態のことを「青立ち」と言います
タマネギの育て方を見ていると、時折「青立ち」という言葉が出てきます。
家庭菜園初心者の方は、この言葉自体を聞いたことがないかもしれませんが、
タマネギ栽培では重要な言葉となっています。
タマネギ栽培における青立ちとは、どういう意味なのでしょうか。
[玉ねぎ 青立ちとは]
■玉ねぎ 青立ちとは
タマネギ栽培では、おもに球部分の収穫を目的とします。
ところが、栽培環境や管理などに不備があると、タマネギがうまく育たず、
球が肥らないという事態になります。
球が肥らずにいると、地上の葉は青々とした状態となるため、
青立ちと呼ばれるようになりました。
タマネギは球が肥って収穫適期になると、地際で軸が倒れます。
青立ちとなったタマネギは、収穫時期になっても軸が倒れず、
立ったままになることもあります。
青立ちしたタマネギは、球部分の肥大がほとんどない、
あるいはトウ立ちして花芽がついていたり、球部分が分裂して分かれた状態となります。
いずれの状態も、タマネギにとっては良くありません。
家庭菜園で育てて消費する場合、多少形が悪くても問題ありませんが、
タマネギ栽培での青立ちは、収量自体が激減するので、注意が必要です。
トウ立ちした場合、球の中心に芯ができるため、可食部分が通常よりも少なくなります。
分球した場合も、狭い場所で2株以上の球が育つこととなるため、
球が通常よりもかなり小さくなり、形も悪くなります。
一番収量が落ちるのが、地上部の葉だけが大きく生長し、
球がほとんど肥大しない「青立ち」の場合です。
地上部は葉タマネギとして食べることはできますが、収穫時期まで育ったタマネギの葉は、
硬くて味も落ちるので、食用としてはあまり向いていません。
良い状態の苗を選ぶのが、青立ち防止になります
■青立ちを防ぐには
タマネギ栽培での青立ちには、原因があります。
青立ちを防ぐために、できることはあるのでしょうか。
・良い苗や種球を選ぶ
タマネギは植え付ける苗を植え付けて育てます。
ホームタマネギを栽培する場合は、種球と呼ばれる、
小さなタマネギ状のものを植え付けます。
こういった苗や種球は、より良い状態のものを選ぶことで、
青立ちを防ぐことができます。
良い苗は、植物によって状態が異なります。
タマネギの場合は、太い苗や大きな種球は、かえって青立ちの危険性が高くなります。
これは、タマネギの生長段階と日長、気温が関係してきます。
太い苗や大きな種球を植えると、一定の時期までに成長しすぎるため、
球を肥大するよりも、トウ立ちや分球を促してしまうのです。
苗を選ぶ時は5mm~6mmくらいの太さのものを、
種球を選ぶ時は直径2.5cmほどのものを選ぶと良いでしょう。
・植え付け時期を守る
適切なサイズの苗や種球を選ぶのと同じくらい重要なのが、
植え付け時期を守ることです。
苗の植え付け時期が早すぎると、その後の生長が早すぎるため、
春にトウ立ちや分球が目立つようになります。
ホームタマネギの種球を植える時期もかなりシビアです。
8月30日を中心に、前後4日以内が植え付けの適期です。
ホームタマネギは、すでにタマネギ状になった種球を植え付けて育てるため、
とても手軽に育てられるように見えます。
けれど、実際は植え付ける種球のサイズや植え付け時期など、シビアな点が多いです。
・追肥時期を守る
タマネギ栽培では、追肥もとても重要なポイントです。
苗を秋に植える作型の場合、冬越しを間に挟むため、
冬までの間にどれくらい生長させるかで、青立ちするかどうかが変わってきます。
大きく育て過ぎれば青立ちの可能性が高くなり、
かといって小さく育てると冬の寒さで傷む可能性が高くなります。
ホームタマネギ栽培でも、追肥のタイミングが遅すぎると、
一定の時期までに葉数を確保できず、収穫時期までに球の肥大が難しくなります。
冬に球が肥大しないと、春まで待って収穫しようと思う方も多いようですが、
この場合、ほとんどが青立ち状態となります。
追肥のタイミングが悪いだけで、タマネギの青立ちの可能性が高まるのです。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期