タマネギを切ると涙が出るのは?
タマネギを使った料理を作る時、避けて通れない試練があります、
それが、タマネギを切る時の涙です
タマネギを切っていると、目に染みて涙が出てきます。
そのうち鼻水まで出てきて、目が痛くて料理が続けられない、なんてこともあります。
では、なぜタマネギを切ると涙が出るのでしょうか。
その理由と、涙が出にくくなる方法をご紹介します。
[タマネギを切ると涙が出るのは?]
■タマネギを切ると涙が出るのは?
タマネギに関連する成分として、硫化アリルという名前だけなら、
聞いたことがある方も多いかもしれません。
この硫化アリルは、実は化学反応によってできる物質なのです。
タマネギには、もともと酵素とアミノ酸が含まれています。
この酵素とアミノ酸が混ざって反応することによって、硫化アリルができます。
酵素もアミノ酸も、普段はタマネギの細胞内におさまっているため、
反応することはありません。
そのため、タマネギをただ置いているだけでは、特に刺激を受けないのです。
ところが、タマネギを切ったりすりおろしたりして細胞を潰すと、
酵素とアミノ酸が放出され、化学反応を起こして硫化アリルへと変身します。
硫化アリルへと変身した後の、涙が出る経緯は次の通りです。
1.タマネギの細胞から硫化アリルが出る
タマネギを切ると、細胞が潰れて酵素とアミノ酸が放出され、
化学反応によって硫化アリルができます。
2.空気中に硫化アリルが広がる
硫化アリルは、自然と空気中で広がっていきます。
3.目や鼻の粘膜に硫化アリルが付着する
空気中に広がった硫化アリルと、酸素と一緒に鼻から吸い込んだり、
硫化アリルを含んだ空気が目に触れます。
4.硫化アリルを流そうと涙が出る
目や鼻の粘膜に硫化アリルが付着すると、刺激を受けた粘膜が、
硫化アリルを流そうとして、涙や鼻水を分泌します。
■涙を出さないようにするには?
タマネギを切っている時に涙が出ると、涙で前がよく見えなくなってしまうので、
不快なだけでなく、包丁を扱っている時も多いので、とても危険です。
タマネギを切っても涙が出にくくする方法がいくつかあるので、ぜひ試してみてください。
・冷やす
硫化アリルは揮発性が高く、温度が高いと空気中に広がりやすくなります。
タマネギをあらかじめ冷やしておくと、これを防ぐことができます。
真冬の寒い時期であれば、暖房の効いていない部屋に置いておくだけでも、
違いが分かります。
タマネギは冷蔵庫保存が苦手なので、使う日の朝に冷蔵庫に入れておき、
夕方に使うと良いでしょう。
・水にさらす
硫化アリルは水に溶けいやすい性質を持っています。
半分に切ったタマネギを水につけておくと、刺激物である硫化アリルが水に流れ出るので、
切っても目が刺激されず、涙が出にくくなります。
ただし、水につけておくと、タマネギを食べることで得られる効果も少なくなるので、
注意が必要です。
・よく切れる包丁を使う
タマネギの細胞が潰れることで成分が放出され、硫化アリルに変化します。
よく切れる包丁を使って切ると、潰れる細胞の数が減り、
放出される酵素やアミノ酸の量も減るので、硫化アリルに変化する量も少なくなります。
すりおろす時には使えませんが、少量を切るだけの時や、
大きく切るだけの時は使えます。
■参考
・タマネギ 肥料過多
・タマネギ 肥料一発
・タマネギ 無機肥料
・タマネギ 有機肥料
・タマネギ 3月の肥料
・タマネギの収穫時期